2021年06月15日

子どもの声を聞いていますか?

前回の記事の続きです。

【子どもの欲しがるものに
   的確に応えられていない】
これについて
細かく説明したいと思います。

親の立場に立ってみると
「子どもが何を
 考えているか分からなくて…」
という場面に多々遭遇します。
そのため、
子どもに応えてあげたくても
どうすればいいか分からない。
とりあえず落ち着かせるために
思いつく限り対応した。
こういう経験があると思います。

子どもの年齢にもよりますし
個人差があることなのですが
【子ども自身も分かっておらず】
なんかモヤモヤしていて
ぐずぐずすることもありますよね。

ですから、
決して”親が悪い”とか
そういう次元の話ではないのです。

ただ、愛着の形成には
【1対1の関係が不可欠で】
【絶対安全であること】
というのが条件にあります。
最初から
子どもを守る絶対的な存在が
複数人いたとしたら
混乱を招くことになります。

今どきは夫婦で子育てする人も
かなり増えていますから
言い方は
古い感じかもしれませんが、
【母親は2人要らない】
というイメージかと思います。
メインで子育てをする人との
絶対的信頼が
子どもの愛着を育てます。

さて、子どもの思いが
本人にも親にも分からない場合は
的確に対応できません。

そして求めてくることに対して
ズレた対応をしてしまう時の大人は
・親の思い込みが発生している
・自分の幼少期に当てはめている
・情緒より道具的機能を優先している
といったことが考えられます。

いつものこの動きはこうだから…とか
私の小さいときはこうだったから…
といった考え方を一旦外してみて
【目の前の子どもを見つめること】
また、
子どもの要求に関しては
道具的(物や行動)ではなく
その奥に隠されている
【情緒の動きに気づくこと】
大切なのではないでしょうか。

例えば、
自宅におやつはあるのに
スーパーで泣きわめいて
おやつを欲しがるのが
「本当は、こっちを見てほしい」
といったシンプルな感情だったり
自宅に十分な遊びがあるのに
親に泣きついてくるのは
おもちゃが足りないのではなく
「時間を共有したい」
という感情があるかもしれません。

道具的ではなく情緒で、というのは
こういうことになります。
的確に対応することとは
【子どもの情緒を知ろうとする】
その姿勢なのかもしれません。

今回は子育てを例にしました。
ですが私たちは
大人同士の付き合いの中でも
こういった”情緒の動き”に
鈍感になってしまいやすく
特に男女関係においては
【感情の動きは欠かせない】
ものだと思いますから
日々、ちょっと注目してみて
誰かの気持ちに
寄り添えるようになると
関係がもっと
良くなると思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 17:00 | TrackBack(0) | 子育て

2021年04月06日

”仕事を家庭に持ち込むな”の意味

昔からよく
「仕事は家庭に持ちこまない」
これが大切なことだと
言われ続けてきました。

その言葉だけが耳に入り、
その”本当の意味”について
あまり人は
触れてこなかったように思います。

そこで、
今回はその本当の意味を
考えてみたいと思います。

**********************
以前、さんまさんがTV番組で
「仕事しとる姿を子どもに
 見せといたらよかったわ」
といった話をしていました。

その理由が、
娘さんが仕事で、現場入りする際に
台本を読んでこないのだそうです。
そのわけを本人に聞いたら
「だってパパも何もしないで
 仕事に行っていたから」と
答えたのだそうです。
**********************
子どもは親の背中を見ています。
家の中で仕事する姿を
ずっと見ていなければ
家での親は「ぐうたら」です(;^_^A

家事を頑張っている人は
たくさんいると思いますが、
それは子ども視点で考えると
仕事ではありません。

だからもしも、
子どもが大人になったときに
親の態度をお手本にすれば、
家に居たときの親と同じような
行動や言動に走る人も
いるかもしれませんよね。

この頃はコロナ渦で、
在宅ワークの人が増え
自宅で働く親が増えました。
そのため、子どもたちの
「将来なりたいもの」にも
変化が出てきているそうですが、
仕事のイライラから
夫婦仲が悪くなってしまったり
子どもにあたってしまったりする
ご家庭も増えました。

家で上手に働くには?
家庭に仕事を上手く持ち込むには?
みなさん悩まれると思います。

こういうときに大切なことは
・事実を淡々と話す
・ネガティブな話は大人同士で
・感情を含めない
といったことかと思います。

あくまでも
私の持つイメージなのですが
仕事を家庭に持ち込まないのではなく
むしろ持ち込んだ方が
良いことも多いかもしれませんし
【仕事の持ち込み方を考える】
と表現した方が
ちょうどよいかもしれません。

夫婦間においては
【相手の話を聞き、共感し】
【下手にアドバイスしないで】
【応援する姿勢を持つ】
というのはどうでしょうか。

みなさん、誰でも
自分の仕事にプライドを持ち
日々がんばっておられます。
だからたとえ家族でも
”踏み込んでほしくない”
感じてしまう部分があります。

家庭に仕事を持ち込みながら
みんなで仲良く過ごすために
今一度、
振り返ってみてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:29 | TrackBack(0) | 子育て

2021年01月09日

適切な関わり方とは?

親子間における
不適切な関わり方は虐待以外でも
いろんな場面で起きることを
前回お伝えしました。
では、「適切な関わり方」は
具体的にどのようなことなのか
今回取り上げたいと思います。

不適切な関わり方が
”子どもが求めることと
  親が与えることのズレ”
だと仮定すると、
適切な関わり方は
【子どもが求めることに
     的確に対応する】
ということになります。

ですが、対応するとは言っても
子どもが求めることすべてに
【肯定的である必要はなく】
親が子どもと同じ気持ちに
なる必要もありません。

もしそのような姿勢をとれば
次のようなことが起こります。
・嫌なことは一切させない
・欲しがるものは全部与える
・わが子中心の世界ができる
これは、どう考えても
対応できることではないですし
その望みを叶えた先には
【人の立場に立って
     考えられない】
傲慢な人間が完成するでしょう。

そして、親が先に亡くなって
子どもが残された時にはきっと
【社会に適応できない大人】
なっているかもしれません。
*****適切な関わり方とは*****
子どもが求めてくるもので
きちんと満たしてあげたいのは
次の3つです。
【好奇心に反応すること】
【自立を支援すること】
【甘えを満たすこと】
これ以外にもたくさんありますが
大切なことは、
子どもが大人になったとき
社会に適応できること
一人で生きていけることです。

そのためには小さい頃から
子どもが興味を示すことを肯定し、
疑問を投げかけてきたら
きちんと答えてあげられること。
子どもが自立するために必要な
社会のルールを教えてあげたり
身ぎれいにする方法などを
教えてあげること。
まだまだ幼い子どもなので
時には抱きしめてあげること。

こういった関わりを
してみてはいかがでしょうか。

一番気を付けておきたいのは
「まだ子どもだから」とおもわず
【一人の人間として】
見つめてあげることです。

親は、
親という立場を使って
子どもを黙らせることや
コントロールすることができます。
長年一緒に暮らしていれば
無意識にそれは発動します。
そのとき子どもは
自分が平等でないと感じます。

その積み重ねは
【思春期から顕著に表れ】
親子関係を悪化させます。

ですから、子どもが小さい頃から
子どもを一人の人間として尊重し
苦手なことを克服するために
親も一緒に手伝ってあげてください。
*****親もミスをする*****
親になったからといって
子どもの手本になれるほど
私たち大人は立派でもないです。

当たり前にミスをするし
苦手なこともたくさんあります。

それはダメなことではないです。
むしをそれを子どもに見せて
【大人でも失敗はあるのだよ】
教えてあげてください。

そして、
【非を認めることのできる】
親であってほしいです。

人間の理想を
押し付けるのではなく
ダメなところも含めて
一人の人間なのだと子どもに伝えると
子どもは
【人を許せる優しい人】
なれるかもしれません。

子どものタイプも色々なので
工夫しながら関わることが
大切ではありますが、
適切な関わり方というのは
子どもの期待に応えることや
子どもの欲求を満たすこととは
別の話だということを
まずは知っておいてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 子育て