2022年03月09日

当事者の立場で例えてみる

発達障害傾向を持つ人たちは
”人の気持ちを
   推し量るのが苦手なので”
当事者自身の
気持ちや考えは大切にできても
当事者が周りの気持ちや考えを
大切に思うことは難しいです。

もちろん、
分かる部分もあるでしょうが
【何度説明しても
  理解してもらえないことは多く】
これは受け止め方の違いかと思います。

当事者と周辺の人との関わりを
客観的に見ていると、
実際に、ないがしろにされるのは
周囲の人たちなのですが
当事者は
【自分がいつも、
  ないがしろにされている】
などと思うことが多いようです。

自分から見える映像、思い、
考えなどはあっても
【自分の態度や言動を
   俯瞰して見れないため】
どちらかというと
【常に被害者の立場】になります。

===========================================
私が職場で、よくミスをするのは
数の数え間違いです。
そのことでは注意されることが多いです。
でもAさんやBさんも数え間違いがあるのに
私だけしか注意されないのです。
きっと上司は私のことが嫌いなんです。
理不尽な状況に納得できないため
不満な気持ちが私の顔に出ているのかもしれません。
===========================================
ケースを作成してみました。
例えば、上司が公平な人であれば
ミスをした全員に注意しますよね。
ですが、この情報では
・何の数についてなのか?
・同じ状況だったかどうか?
・上司の意図が何か?
など色々と不足していますね。

そういう時、私たちは推測します。
「数」とはいっても、
他の人は輪ゴムの数程度のことで
本人はお金に関することだったら…?
「数え間違い」だとしても
他の人は1桁程度のズレで
本人は足し算と掛け算違いだったら?

同じようにミスしたとしても
【上司の意図が違えば
     対応も変わります】
そういうことの想像が
当事者には難しいと思われます。
*****ポイント*****
そこで、私も考えてみました。
当事者が
”より現実的に考えられるために”
どうすれば伝わりやすいのか。

思いついたのは、
【当事者自身が
  大切にしていることに注目する】
ということです。

例えば、当事者が誰かの
マグカップを割ったとします。
「また新しいのを買えばいいでしょ」
などと適当なことを言い返してきて
謝ろうとしない人もいるでしょう。
この時、当事者が大切にしていて
思い入れのあるものを確認します。
もしそれがフィギュアだとすれば、
「もう販売されていない、
 その〇〇というフィギュアを
 壊されるようなものなんだよ」と
伝えてみてはどうでしょうか。

それでも、
「たかがマグカップと一緒にするな」と
言い返してくる人ももちろんいますが、
【違うものでも、
   抱える思いは同じだ】
ということを目的に
表現してみると良いかと思います。

当事者は、物の例えが分からず
マグカップとフィギュアの
入手困難さや価格比較をしているだけで
自分自身のこともなのですが
【思いの量を図るのが苦手なのです】

ですが場合によって、タイプによっては
その場ですぐに理解できなくても
【一人で振り返って
  理解できることがあるので】
ダメもとで伝えてみてください。

私は当事者対応をしていて
当事者がその場で理解できないことは
しょっちゅうあります。
ですが後日になって
「この間の〇〇の話ですが…」と
自身の振り返りを聞かせてくれ、
その時「こういうことでしょうか?」と
聞いてくれる人もいるものです。

当事者自身も
決して決裂しようという意図はなく
理解までに時間がかかるものの
本当に自分が悪かったと思えば
素直に受け止めてくれるタイプも
たくさん存在しています。

【ただ、その場ですぐに
    理解できないだけ】
ということも多いですので
参考にしてみてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189385729
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック