2022年03月01日

発達と愛着と

今回は、
「どうして発達障害の人は
    愛情不足に陥るか」について
再度取り上げたいのですが、
まず誤解しないでいただきたいのは、
”愛着障害の人が全員
     発達障害とは限らない”
ということです。

愛着障害の人はADHD症状に似た
行動言動があるために
発達障害の診断を受けることがあります。
専門家なら分かっている人も多いですが、
発達と愛着の”見分け方”があるので
決めつけは良くないと思いながら
これを読んでほしいと思います。

さて、本題に入りまして。
私が発達障害を学んでいた時にも
「発達の子は
   愛着が関連してくるからねぇ」
という言葉をよく聞きました。
それはどういうことかと言いますと、

アスペルガーの場合では、
まず人の気持ちが分からないし
【情緒の関わりが乏しいために】
自分にとって機能的なメリット以外の
「愛」というものが分かりません。
愛されているの意味も分からないので
お金に換算したり、
してもらったことで数えてしまいます。

ADHDの場合では、
愛情については分かっていますが
失敗が多く
【叱られる頻度が高いために】
自分が愛されていないという
感覚に陥ってしまいやすいです。
自分の判断が間違っているにもかかわらず
「周りが自分を認めてくれない」と
思い込んだりしますから
【愛の認識の仕方がズレる】
ということもあるかもしれません。

いずれにしてもそれぞれ
当事者の程度の差はあります。

そして、「親のせいではない」と
子育て上でよく言われている意味は、
どんなに親が愛情を注いでも
【愛情の受け皿が整っていない】
ということなのです。
これは大人でも同様です。

大人の当事者たちが
「みんなのように愛されたい」と
相談時に言われることがあります。
でも現実では、
とても大切にされているのに
【それを感じ取る力が弱いために】
愛されていない、不利な立場、
いつも被害者という感じになるのです。
*****まとめ*****
当事者に理解を得るためには
【いつも分かりやすい言葉での
       表現を欠かさない】
ということを心がけてください。
ただし気を付けないといけないのは
当事者、特にアスペルガータイプは
【自他の区別がつきにくいので】
「愛してくれているなら
 自分の言うことを何でも聞くはず」
といった間違った認識があり、
それを強要する可能性があることです。

当事者の中では
【自分の気持ち=他人の気持ち】
という考えの人が多いですから
支援側は、
しっかりと自分の意思をもって
関わっていってください。

物理的なこと以外で
愛情を感じられないために
「絶対的な信頼関係」を
築くのが苦手な人たちです。
ホームベースのない野球を
孤独にプレイしている感じです。
失敗しても成功しても
【戻れる場所(人)がない】
そんな気持ちなのかもしれません。

だから支援できる人たちが
「仮」でもいいから
ホームベースの役割を担って
当事者を安心させてあげてください。

そして、冒頭で
”愛着障害の人が全員
     発達障害とは限らない”
と書きました。
これには続きがあって、
”発達障害の人の多くが
   愛着形成に問題を抱えている”
ということは否めません。

ただの変わり者だ、面倒な人だ、と
色んな思いはあるかもしれませんが
私たちに当然のように備わっている
【愛情で満たすコップが割れている】
彼らに少しだけ支援の手を、
よろしくお願いします。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害
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