2021年09月14日

「やめてください」が分からない

発達障害の特性を持つ人たちは
たとえ友達や家族と
うまく関われているように見えても
本当は人との関わりが苦手、
という話はよく耳にします。

うまく関われているというのは
人と関わる時
お互いに不快な思いをしないよう
配慮できているからで
時に発達障害の特性が
ひょっこり顔を出すことがある、
といった感じなのです。

その中の一つに
”やめてください”と伝えても
当事者にやめてもらえない
ということがあります。

私がお伝えしている発達障害は
ADHDとASDに限定されています。
【分かっていて
  止められないのがADHDタイプ】
【言われている
  意味が分からないのがASDタイプ】
このように考えてよいかと思います。

ADHDの人たちは
相手が嫌がっていることを察知し
状況を理解することができますが
【その行為をやめたいのに
       止められない】
というイメージで、
ASDの人たちは相手が
【本当に嫌がっていることを
        理解できない】
というイメージです。

それで結局、
相手を本気で怒らせてしまいます。
周りの人からすれば
「きちんと意思表示したのに、
      なぜだか伝わらない」
という気持ちになると思いますし、
ADHDタイプの人は、
「またやってしまった…」と
深く落ち込むけれどすぐ忘れ、
ASDタイプの人は
「急に怒られた」と逆に怒りに
変わってしまうかもしれません。

こういった問題への対応は、
【事が起きる前に予防策】
という考え方で
”あらかじめの約束事”
思ってください。

おそらく一番最初は
当事者が上記のようなことで
相手を不快にさせることが
始まりになるかと思います。
その時、和解したいのであれば
「あなたには、
  私の言葉が届きにくい」
ということを伝えます。
そして、当事者に対して
【どう伝えれば
  気づいてもらえるか】
直接質問してみてください。
それの回答がなければ
双方で”合図”を決めて
覚えてもらう、という方法です。

この方法は
難しいものではありませんが
【何度も同じことをくり返し】
当事者が身につけるには
数十回〜数百回かかるかもしれません。
ですから
”周囲の根気強さが必要”です。

「やめてください」には
単なる嫌がらせというよりは
【過度な親切心も関係していて】
例えば、
もう食べられないのに
どんどん食べ物を買ってくるなど
本人にとっては「良いこと」も
含まれています。

このような時、
私たちは遠回しに言ったり
相手の親切に感謝する態度で
やんわり伝えますが、
当事者には届かないので
ハッキリと伝えることを
今一度、思い出しておいてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:20 | TrackBack(0) | 発達障害
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