前回は、病院を受診する
基準について書きましたが
たぶん、それを考える人というのは
【当事者であることが多く】
当事者家族からの相談では
また違った内容を聞くことが多いです。
例えば、
家族内に発達特性を持っている人がいて
その本人は、
誰かに迷惑をかけているとは
全く思っておらず
むしろ自分のことを優秀で
周りの人間たちは称賛するべきだと
本気で思っているケースです。
【自分は能力の高い
特別な人間なのだから】
自分の言うことを聞くのは
当然のことだろう。
などと発言することがあり、
ここまで酷くなくても
発言を聞き続けていると
似たようなことが出てくるタイプで
家族は接し方が分からなくなります。
このタイプの人に
病院の受診を勧めるのは
結構難しいことです。
*****当事者の心の中*****
これはパーソナリティの問題で
そのような考え方や生き方によって
自分の心を支えるしかなかった
と、考えられます。
理由は色々ですが、2つ挙げてみます。
1つは
親や学校の先生、近所の大人、
もしかすると友人などから
当事者が不当な扱いを受けたことで
【自分の心を守るために】
弱虫な自分を見せるのではなく
逆に偉そうな態度を作り上げ、
そうすると
周りが言うことを聞くようになったり
機嫌を取るようになったことが
当事者にとって都合がよかった、
という経験の積み重ねです。
もう1つは
【親の価値観を受け継いだ】
という考え方です。
子供にとって
初めての組織のトップである父親が
官僚やエリートであった場合、
またその父親が
”人の上に立つことこそ
人間の価値を上げる”などと
偏った教育をしている場合、
特に男の子は父親の影響を受けやすく
外でそのように振る舞い始めます。
その人たちが大人になると
【自分の価値観を
絶対だと思っている人なので】
自分以外の誰かの言うことは
信用できなくなってしまいます。
さらに言えば
【自分よりも
偉い人の言うこと以外は】
価値がないものだと思いがちで
そういったタイプの場合は
「医者は信用できない」などと
発言しがちなのです。
*****最後に*****
高齢者の認知症検査なども
似たような相談があるのですが
家族が本人に
病院を受診させたいのだけど
本人が拒絶し続けるため
【治療が遅れてしまい】
病状が悪化するケースも
少なくありません。
今回のケースについても
発達特性が悪化するというより
【社会との関係性が悪化する】と
考えたとき
私個人的にも早めに受診して
自分と向き合うことを
大切にしてほしいと思うのですが、
いずれにしても
【本人が納得して受診しない限り】
繰り返しの通院は難しいですし
継続しての投薬も難しいのです。
このタイプの人たちは
カウンセラーすら信用しません。
それについては
次回に書きたいと思います。
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