2022年03月24日

「分かりません」が気に入らない

アスペルガー傾向の人たちは
”人の気持ちが分からない”
言われていますが、
【自分の気持ちと
   一致する場合は分かります】
ですから、当事者の言い分に対して
周囲が賛同していれば
お互いの考えが同じなのですから
分かり合うことができます。

ところが、
意見が食い違ったときには
【相手の考えが想像できないので】
分からなくなってしまいます。
相手が何度説明しても当事者は
「え?なんで?なんで?」となり
自分の意見が絶対なので
話し合いが成立しなくなってしまいます。

また、
回答には「分からない」という
選択肢があることも理解できず
「私が分かるのだから、あなたも分かるでしょ」
といった考えになってしまいがちです。
(これは価値観の問題かと…
 ですからそうでない人ももちろんいます)

そのため、「分かりません」と
誰かに答えられることに
【怒りを覚えるタイプも存在していて】
「分かれよ!」と押し付けてきたり
分からないことを批判したりして
人間関係が悪化するケースもあります。

このようなタイプの人から
相談を受けた事例を挙げます。
「こういうことってありますよね」と
相談者から言われた時、
「私には分かりません」と答えました。
すると、
「はぁ?一般的にそうでしょ?
 なんでそうなの?
 そんなことも分からないの!?」と
めちゃくちゃ責められました(;^_^A

実は、そう思っているのは本人だけで
その考えに関しては
全員が一致できるような常識でもないし
【一般論で考えられる
    範疇の外側の話だと】
相談者が気づいていないのです。
ただ、”自分が知っている”だけなのです。
*****まとめ*****
「分からない」と答えられると
不快に思う人や
そういう人が周りにいる場合、
会話のやりとりが
本当に大変なことと思います。

例えば職場にそういう人がいて
毎日関わらないといけないけど
とても疲れるし、伝わらなくて
精神的に参っているのだとしたら、
当事者の言う一般論は
【何を根拠に一般的なのか】
説明を求めることが必要です。
(だいたい答えられません)

また、
「あなたと私は違う人間」で
「意見が異なることもある」など
【区別を常に言語化して伝え】
たとえ当事者が怒っていても
【毅然とした態度で】
日々対応することが大切です。

実は当事者の本音として
「分かりません」と言われることが
【存在否定されたと思えてしまう】
ということと、
賛同されることによって
【承認欲求を満たしている】
このように私は想像しています。

ですから、
意見が違っても敵ではない、
【同じ目的に向かって
    考え悩んでいる仲間】
という認識ができなければ
どのような場面においても
怒り出したり被害者ぶったりして
人間関係は上手くいきません。

私も色んな相談を受けていて
「これ以上方法がないな…」と
頭を抱えるケースは多いです。
今回の記事内容もそうなのですが、
どうすればもう少し楽になるか
いつも悩んでいます(;^_^A
posted by 心療カウンセラー長谷 at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2022年03月22日

子供の時に習わせておけばよかった

今回は、私がやっていた習い事が
もしかすると発達特性を持つ人に
良いのではないかな?と思ったので
取り上げてみたいと思います。

発達障害傾向を持つ人たちは
・行動の切り替えが遅い
・こだわりが強い
・時間配分が苦手
といったことがあります。
そのために
作業に時間がかかってしまったり
遅刻をして迷惑をかけたりして
周りからの評価が下がり
辛い思いをしている人もいます。

当事者としては
「自分なりにやっています」と
言い張ったとしても
周囲から客観的に見ると
きちんとはできていません。
そして直そうと思っても
”どう改善すればいいのか”
大人になるとなかなか難しいです。

それで私が自分で習っていて
今とても役立っているのが
【珠算】だと気づきました。
やっていたのは5歳〜17歳頃です。
珠算について少し説明します。

昔の話になりますし
その教室によって方針が違うので
今と比較できないかもしれませんが
級の段階では
掛け算・割り算・見取り算・暗算とあり
各10分で10〜20問の回答をします。
段位になるとそこに…なんだっけな…w
応用計算と、ルート計算などが入って
それらも各10分で20問くらいだったような…
古い記憶なのでごめんなさい(-_-;)

とにかくその珠算というのは
【10分で行動を切り替えないと
     試験に合格できないので】
繰り返し訓練の日々でした。
正直、退屈だし面倒だし、
途中で何度も辞めたくなったのですが
親が厳しくて(笑)泣いているのに
道路を引きずられて連れていかれました(;^_^A

先生も厳しくて、毎日の訓練ですし
本当に嫌気がさしていたものの
その訓練の成果があって
競技大会に出られるまでになりました。
競技大会では「読み上げ算」なるものがあって
先生が口頭で読み上げる数字を
ソロバンで計算していくわけです。
「ちょっと待って」はありません。
一つ聞き落せば失敗、退場です。
*****まとめ*****
私の息子は外では
テキパキしているみたいですけれど
家にいるときはダラーン、グダグダです。

ほんとに、
ソロバンやらせときゃよかった。
彼のペースを尊重して育てた結果
【自分の利益にならないことでは
        時間の無駄遣いが多く】
結構私が迷惑しているのです。

ソロバンをやっていると
もしかすると、10分という
【短時間の時間感覚が
   身につくかもしれません】
【次の行動に切り替える覚悟が
     できるかもしれません】
【10分間の集中力を養い、
  座っていられるかもしれません】

場合によっては
せっかちな性格になるかもしれないけれど
以前にも記事で取り上げたように
【今すぐ、その手を止められるか】
親になったとき(子育てで)
特に求められるスキルですから
私自身はとても役立ったと思います。

頭を切り替えないと勝てない。
こだわっていたら間に合わない。
短時間になるべくたくさんこなす。
そうしないと競技大会では
優勝を狙うことはできませんでしたし
段位を取るのも難しかったですから
小さい時の修業は大切だったなぁ。
今は厳しかった親に感謝ですね(笑)

大人になってからですと
なかなか感覚を得るのは
難しいかもしれませんが、
これから子供に習い事を考えている人は
ぜひ珠算も一つ検討してほしいですし
大人の場合には、
珠算以外で「短時間勝負」のゲームなどで
【時間感覚を養う練習】
見つかると良いですね。

注)デメリットは…
  ひっ算ができないことです。
  3〜4桁程度のものであれば
  問題を見たら答えが分かるので
  回答過程が書けなくて
  怒られましたし
  テストは「×」でした(;^_^A
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2022年03月19日

カウンセラーとクライエントの関係

私のこだわりは
「人との関係性をハッキリさせること」と
前回お伝えしましたが、
コメントをいただき感じたのは
「カウンセラーとしてはどうなの?」
といったことについてもう少し
深くお伝えする必要があると思いました。

前回は、あくまでも
”私の個人的な視点・感覚であり”
肩書を背負っている時には
【職責というものが存在していて】
その話になると
また内容が変わる気がするのです。

さて、本題に入りまして。
今回コメントいただいた方だけに限らず
クライエントの立場になった人は
経験していることが多いと思います。
それは、
【カウンセラーにすがること】です。
依存度が高いほどそうなってしまうし
信頼関係が築けているこその
感情なのではないでしょうか。

だからといって、
カウンセラーがクライエント同様に
クライエントに依存してしまうと
トラブルにつながる可能性大です。
・症状がさらに悪化
・感情転移による逆恨み
・カウンセラーがメンタル崩壊
こんなことが起きる可能性があるので
とても注意が必要な関係性です。

ですから公認心理師の勉強をして
必ず出てくるのが
【多重関係の禁止】についてです。
私たちは出会ったときから
「カウンセラー・クライエント」
という関係性が成立していて
契約を締結している状態です。

だけどセッションを進めるうちに
クライエントはカウンセラーに対して
特別な感情を持ちやすくなります。
もっと距離を詰めたくなります。
そういったとき、そこで
カウンセラーが特別扱いをして
友達関係などが成立してしまうのが
”多重関係”ということです。

ここで誤解してほしくないのは、
依存しあうことと
【信頼関係は別の話】です。
このあたりの距離感が微妙で
理解し辛いクライエントの人にとっては
カウンセラーに好かれていないのでは?
もっと距離を詰めてほしい、などの
多くの感情が沸き起こりやすくなります。

そして、願った通りにならないと
徐々に【ネガティブな転移を起こし】
カウンセラーに怒りを感じたり
逆恨みにつながったりするのです。
*****まとめ*****
学校の先生、病院の先生など
【その場面以外で
   仲良くなれない立場の人】
という職業があります。
カウンセラーも同様です。

これは、誰かを突き放すためではなく
距離を詰めすぎた結果
セッションがうまくいかなくなったり
その他のトラブルが起きたりして
カウンセラー本人だけでなく
【クライエントが
   より一層傷ついてしまう】
ということの予防目的もあります。

人間不信に陥っている人や
人間関係に自信のない人たちは
自分のことを「どう思っているか?」
とても気になることだと思うのですが、
セッションが安定して進んでいるのなら
それは”関係性も安定している”
捉えて良いのではないでしょうか。

カウンセラー側は、クライエントを
単なる研究対象と思っていたら、
それは相手に伝わります。
(中にはいるかもしれません)
ですが、
少なくとも私の知る範囲では
【同じ目線の
   人間同士という視点で】
セッションが
進められているように思えます。

そして、どうしても不安なら
カウンセラーに直接聞いてみてください。
クライエントの質問に対して
誠実に答えてくれるカウンセラーは
きっと良いカウンセラーだと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 心の健康を保つ