2022年03月31日

承認欲求を満たしたい人

前回は自慢話について書きましたが
その中で書いた
承認欲求を満たしたい人について
今回は取り上げたいと思います。

「認めてもらいたい」「理解してほしい」
こういった気持ちは
”誰にでも存在しているもので”
持っていておかしいわけではありません。
ただ、その思いが強くなりすぎると
一方的に相手に押し付けてしまったり
認めてくれない相手に対して
怒って責めたりしてしまうので
人間関係が悪くなってしまいます。

この承認欲求に関しても
以前からたびたび取り上げてきました。
コミュニケーションが苦手、
自己肯定感が低いなどの理由によって
他人に強く求めてしまう人は
本当に生き辛いことと思います。

さて、
「私はそんなことありませんよ」と
ポーカーフェイスを気取っていても
私たちは【非言語で気持ちを察知し】
その後の関係の善し悪しが決まります。

例えば、「私は〇〇大学を出ました」と
Aさんが自分のことを話しました。
Aさんの本音としては
「わぁ、すごい!賢いのですね」と
言ってほしかったとしても
学歴にこだわりのない人たちには
「そうですか」レベルの話になります。
【自分の求めている
  リアクション通りにならないと】
非言語の部分では
・怪訝な顔をする
・声のトーンが低くなる
・ため息が出る
・イライラの早口に変わる(言語)
こういったことを感じ取れます。
とても分かりやすいです。

この程度の差によって、
その人の承認欲求の強さが
分かることがあります。

おそらくプライドが高く
「私はあなたたちより偉いのよ」と
言ってもらい認めてもらいたいという
気持ちが強い人なのだと思います。
そして、認めてくれないことに
イライラして態度に出てしまうのです。
*****まとめ*****
Aさんのような態度を取る人と
関わりを持った時
【察知したり気遣ったりする
    能力が高いタイプの人は】
ターゲットにされやすいです。
なぜなら、Aさんの
承認欲求を満たすという目的で
【都合の良い人間だから】です。

「私は利用されやすい」という
タイプの人が存在していて、
そういう人はターゲットにされやすく
また、
【うまく距離を
  遠ざけることができず】
悩んでいることがあります。

そのような辛さを軽減するためには
【相手の求めるとおりの
    リアクションをしない】
ということを心がけてください。
これは決してAさんタイプを
突き放していじめるのではなく、
【他人の気持ちは操作できない】
ということをAさんタイプが知るためです。

だからと言って全否定せず
【本当に良いと思ったら
   正直に褒めてください】
なんとなく相手の勢いに飲まれて
全てを肯定”させられる”雰囲気に
持ち込まないことが大切です。

人との距離感は難しく
相手によっては険悪になるし
攻撃されることもあります。
だからといって
自分に不正直に嘘をつき
相手にも嘘をつき続けるのは
【健全な関係とは言えないので】
お互いを認め合える関係を目指して
ほどよく付き合ってください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 人間関係

2022年03月29日

自慢話で終わる相談

これは少数の事例になりますが
忘れたころにやってきて、
お互いに困惑するケースなので
取り上げてみたいと思います。

一般的に相談される際には
【具体的に困った何かがあって】
初回からそういう話になるのですが
「日常はうまくいっています」
「特に困ったことはありません」
「みんなから人気があります」
「異性からモテます」
「お金には苦労したことがありません」
などなど、聞いていると
【ただの自慢話にしか聞こえない】
というケースが存在します。

一応私も相談として引き受けているので
黙って話を聞き続けるのですが、
「それで、何にお困りですか?」など
途中で質問を入れながら
続けて話してもらうようにしています。
それでも引き続き自慢話に戻って
ずっと聞いていることもあります(;^_^A

実は、このケースに関しては
【相談者自身が
  何に困っているか分からない】
ということが相談内容になります。
おそらく冒頭の自慢話の裏には
【なのに何かが足りないんです】
【なのにモヤモヤするんです】
【なのに満たされないんです】
といったような
【自分で見つけられない
    言葉が存在している】
考えると良いかと思います。
(全力で終始自慢話だけしたい人は
    そうそういないものですよね)

私の経験の範疇になるのですが
このケースではおおよそ
【目に見える事実しか
    話せていないこと】
【自分の気持ちに
  フォーカスできていないこと】
これらが共通していました。

そう考えると、その中には
”アスペルガー傾向の人も”
含まれていると思われます。
*****まとめ*****
発達障害の傾向を持つ人は
【人から褒められたことを
   鵜呑みにしやすいので】
「綺麗ね、カッコイイね」と
褒められたことなどを嬉しく思い
他の人に話す傾向があります。

ただ、拗らせている場合は
”猜疑心が強いので
   褒め言葉に怒りを覚え”
逆の態度になることもあります。

ですが発達特性がなくても
自慢っぽい言い方になってしまって
何に困っているか
分からない相談事例では…
自慢話をすることで
相手からさらに称賛されることを
求めているように思えます。
つまり
【相談と称して
   承認欲求を満たす目的で】
カウンセリングを利用する人も
存在している、ということです。

そこだけ拾うと、残念な人だなぁって
思うかもしれませんが
こういった相談者の深層心理は
【コンプレックスが強いから】
専門家に依頼して自慢することで
一時的に気持ちを
安定させているのだと思います。

カウンセリングの利用の仕方は
カウンセラーによって違いますから
そういう依頼を引き受けてくれる人も
たくさんいるのだと思います。
ただ、知っておいてほしいのは
最終的に自分の足で立つためには
【自分を信頼し、
   自分を受け入れること】
欠かせないことの一つだ、ということです。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己改革

2022年03月26日

言葉足らずの事例

今回は支援側の人に対する
記事内容になりますが、
当事者の方はこれを読んで
”どうズレているのか?”
知ってほしいと思います。

アスペルガー傾向の人たちは
【自分の思いを言語化しにくく】
なかなか上手に話せません。
思ったことと反対の意味になったり
全然論点がズレたりして
周りも困惑してしまうこともしばしば。

その中の一つにある
”言葉足らず”について
具体的な例を作ってみました。

例えば、
当事者が昨日食べたカレーが
まずかったとします。
*************************************
※テレビを見ながら…
相手「あ、カレー特集やってる!」
当事者「あー、ホントだ。
    (昨日食べたカレーは)
     苦手だなぁ…」
相手「あ、カレー嫌いだったの?」
当事者「うん(昨日のは)」
*************************************
⇒解説
「(昨日食べた)カレーは苦手です」と
当事者が相手に伝えたとしたら、
相手は当事者が
カレー【全般が苦手】と捉えます。
だけど後日、当事者が
「カレー(全般)はおいしいです」と
話していたとしたら
相手「え、この前嫌いって言ってたじゃん」
当事者「言ってないよ」
という会話が始まります。

これは単なる食べ物の話なので
大したことのない内容でしょうが、
現実的には
重大な問題が起きた時などに
こういった会話が始まることによって
【問題解決が遅れたり
    解決できなかったりして】
やりとりしている相手の人の
メンタルが疲弊していきます。

いつ・どこで・だれと・どうやって・どうした
これを並べるのが当事者には結構難しく
机上で(文字や文章)時間をかければ
なんとか作ることができても
会話という忙しい場面では
うまく伝えることができませんし
【何が足りないかに
  気づくことができないため】
後日になって起きる
誰かとのズレの原因が分かりません。
*****ポイント*****
当事者を理解するためには
【細かい質問を繰り返して】
情報を集めることが大切です。
自分の気持ちを表現するのは
苦手な人が多いですが、
好き嫌い程度であれば
答えられる人が多いですし、
中には【独特な文章の組み立てで】
表現できる人がいます。

ですから、
「これは好きですか?」とか
「全般的にどうですか?」など
聞いてみると
自分の受けた認識とは違って
誤解が解けることもあります。

それが面倒だと思うなら
上記の場合でしたら
一緒に当事者と外食する際は
カレー以外のメニューがある店を選ぶ
などにすれば
わざわざ聞かなくて済みます。

支援側にも思い込みがあり、
【言えて当然でしょ】的な
感覚を強く持ってしまっていては
当事者に押し付けてしまうことになるので
「あなたはそうなのね〜」くらいに
ゆる〜く当事者の考えを聞きましょう。

双方に言い分があって
それぞれ気持ちは分かるのですが、
「まぁ、いいじゃん」の心持ちは
いろんな場面で平和をもたらします(笑)

難しい問題解決の場合には
なかなか実現できないと思いますが
食べ物程度であれば
「お好きにどうぞ」的な気持ちで
接してみると良いかと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害