2022年01月29日

会話の流れって何?

これはアスペルガー特性を持つ
当事者の方が教えてくださいました。
「ふむ、なるほど」と思ったので
ここで共有してくださいね。

その方は、
「以前の自分は、会話に流れがある
   ということを知りませんでした」と
当時のことを解説してくださいました。

具体的には…(ここは作ります)
数人の集まりで旅行の話をしています。
その中の一人が、箱根の話を始めました。
周りは「うん、うん」と聞いています。

当事者の方も「旅行の話か」と思い、
箱根の話をさえぎって
北海道に行った時の話を始めました。
当然ですが、周りの気持ちとしては
「今、箱根の話をしているのに
  どうして北海道の話を始めたの?」と
思いますし
話し手の人にとってはまだ続きがあるのに
【会話のバトンを奪われたなぁ】
感じてしまいます。

だけど当事者の方にとっては
【同じ旅行の話だから
   自分も言いたいことがある】
といった気持ちで話しており、
その結果、場の空気が変わっても
”お互い言いたいことを
      言っているのだから”
気にしなかったのだそうです。

ADHD傾向のある人たちも
「自分が話したい、自分が!」
という気持ちになりやすいので
誰かが話していることを聞いて
自分の話したいことを思いつき、
会話のバトンを奪ってしまいますが
それとはちょっと違うケースになります。

今回のケースで思ったのは
【話題のカテゴリを間違えた?】
ということです。
話し手は「箱根」について話したいのに
当事者は「旅行」という
もっと大きな枠で捉えてしまったため
北海道旅行のことを好きなように話した、
ということなのかもしれません。

そして話し手にとっては
【箱根の話がまだ終わっていない】
その段階で当事者が別の話をしたので
その結果【会話の流れを止められた】
ということになります。

例えばですが、箱根旅行から始まると
私たちはその話を聴きながら
・どんな宿に泊まったのか?
・温泉はどうだったか?
・観光はどのあたりだったか?
といった”箱根をテーマとして”
質問を繰り返して話を展開します。
これが、流れる会話です。

ですが当事者がもしも
「どんな交通手段を使ったの?」と
質問をしたときに
「ロマンスカーです」と答えたら
”ロマンスカー=特急”だから
「そういえば、あずさは…」と
中央線の方の特急の話になったり
鬼怒川温泉の話になったりして
【話が飛んで行ってしまう
  現象が起こりやすくなります】
*****まとめ*****
会話の流れに乗るために
守ったほうが良いことは、
【人の話を最後まで聞きましょう】
特に女性の会話については
”最後に結論が出やすいので”
しばらく話を聞いていないと
【何が言いたいのか分からない】
ということが頻繁にあるのです。

また、全員が
話し上手なわけではないので
考えながらゆっくり話したり
時系列が行ったり来たりもします。
それでも根気強く
最後まで聞くように心がけてください。

その際、
【何について話しているか覚えておく】
ということも聞き手の役割でもあります。
本当は、話し手本人に
覚えておいてほしいけど
「あれ?何について話してたんだっけ?」と
なってしまうことも多いもので(;^_^A

そして自分が話したいときには
【前置きとなる言葉を大切にして】
会話を切り替えるようにします。
例えば、
「ちょっと話がそれるかもしれないけど」
「テーマが間違ってるかもしれないけど」
「今この話じゃないかもしれないけど」
これらに続けて
「北海道の話もしていいですか?」と聞きます。

もし箱根の話が終わっていなくても、
一旦譲ってもらい、北海道の話をします。
それでも前回の話し手が
まだ箱根の話を終えてなかったとしたら
「さっきの話なんだけど…」と
元に戻してくれる可能性があります。

なかなかハードルが高いことなのですが
会話は、このようにして流れています。
今回の記事掲載にあたり
許可をくださった協力者の方には
感謝を申し上げます。
事例は作りましたので
協力者の方の言いたいこととは
少しずれてしまったかもしれませんが
ご了承くださいませ。
本当にありがとうございました。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害