2022年01月27日

どうすれば仲良くなれるの?

前々回の記事で
「私にだけ愛想が悪い」という
記事をアップしました。
その続きとしてですね、
【表情が乏しいのは
     特性の一つだから】
どうにもならないじゃないの、
ということについて書きたいと思います。

まずは、もし当事者と私が会話したら
どんなふうになるのかな?と、
想像して会話を書いてみます。
(当事者とClと表記します)

Cl「だけど、発達障害は治らないし
  特性なんだから仕方ないじゃないですか」
私「そうですね、仕方ないですよね」
Cl「だったらそれを周りが
  受け入れてくれればいいのでは?」
私「そうできればいいけれど、
  周りの人は発達障害を熟知していないし
  合理的配慮義務があったとしても
  彼らにも感情があるからどうしたものか」
Cl「それはおかしい。
  周りが私に配慮すべきなんです」
私「具体的にはどんなことを?」
Cl「私が不愛想でも優しくしてほしいです」
私「それをどうやって周りに分かってもらうの?」
Cl「誰かが言ってくれると助かります」
私「ところで、あなたは不愛想な人に優しくできる?」
Cl「がんばれば、できると思います。」
私「それなら今も
  あなたは誰にでも優しく接している?」
Cl「していませんし、少し避けています」
私「そうすると矛盾がありますよね」
Cl「確かにそうですね」
私「自分は周りに優しくしないけれど、
  周りには優しくしてほしいということになります」
Cl「優しくって、どうすればいいのでしょう?」
私「あなたなら、どうされたら優しく感じます?」
Cl「うーん…」
※合理的配慮については
 あまり詳しく理解できていないので
 使い方を間違えていたらごめんなさい

こういった会話は
発達障害関連の相談では
よく出てくる内容なのです。
【自分に優しくしてほしい】
という訴えは結構多いですね。
それほど当事者は
”冷たくされている”と感じやすいのでしょう。

さて、タイトルについてですが
不愛想で態度が悪いとして
その人が誰かと仲良くなるには
どうすればいいのか?ですが
愛想良くなるよう改善できないなら
【自分の欠点をカミングアウトする】
というのが早いかと思います。

職場など人の集まるところでは
この頃は発達障害についての情報も
多く知られるようになってきましたし
その中に当事者がいると
「もしかして…」と気づかれるケースも
増えていると思います。
つまり、当事者自身は隠していても
【周りが先に気づいてしまう】
ということも考えられます。

具体的に何がどう?というのが
分からないのだとしても
「ほかの人と何か違うよね」くらいは
気が付かれやすい時代かと思いますから
不愛想なこととか
人付き合いの苦手さについてなど
勇気を出して上司に相談してみる、
というのも一つの方法かと思います。

その時の心がけとして
【自分以外の人間は敵ではない】
ということを念頭に置き
「みんなと仲良くなりたい」
という気持ちを伝えましょう。
それと同時に、
改善を諦めるのではなく
【鏡を見て表情の練習】
挨拶の仕方、目の合わせ方なども
家族に協力してもらいながら
取り組み続けることが大切です。

私が対象としている当事者は
【診断が下りない程度に
  軽度の発達障害特性を持つ人】
ですから、
学生時代も社会人になっても
健常者として過ごしている人たちです。
そういった人たちが
障害者認定されているわけでもないのに
努力することを諦めて
企業内で理解や配慮を一方的に求めるのは
難しいことだと私は思っています。

最後に、周囲の視点について
記載しておきますね。
これは相手の立場に立った時
当事者自身がどう見えているかの
参考になるかと思います。

発達特性を持つ当事者について
【部長や先輩が
  自腹で相談される】
ということが割とあります。
その相談内容の中では
相談者の人たちなりに分析をされていて
【発達障害者に対する接し方】を
教えてほしいと言われることもあります。

・忙しくなると、
 たとえ相手が上司であっても
 怒鳴り散らして命令口調になる

・ちょっと注意しただけで
 反抗的に噛みついてくる

・いつも不愛想で
 怒っているように見えるから
 雑談など不要なことでは
 話しかけないようにしている

こういった相談にも私が対応しており、
当事者の心の中を翻訳して伝え
関わり方も提案することがあります。
両者の立場に立てば
ここまで温度差があるということです。
誰が良い悪いではなく、
【感じ方は人それぞれなのだ】
ということを改めて知っておいてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害