2021年11月30日

変わることは怖くないのか

以前にも取り上げた内容ですが、
アスペルガー傾向を
持つ人たちの中には
”変わる”ということに
ひどく抵抗を示すタイプがいます。
「変わることは怖くないのですか?」と
質問をされたこともあります。

それで、
変わることの感覚について
詳しく話を伺ってみて分かるのは…
本来は”変わる”というのは
【自発的に自然にそうなるのに】
その印象が当事者の中では
【人に操作される、
   人格を変えられてしまう】
といったイメージであることが
わりと多いことです。

例えば、生まれてきた赤ちゃんが
乳児から幼児になり、小学生に…と
成長していく過程で
「人に操作されている」なんて
思う方が珍しいタイプですよね。
私たちは親に育てられ
当たり前のように学校に行き
生活態度を身につけることなどで
”人に変えられた”などと
恨みがましく思うことは、
まずないでしょう。

それと同様に
悩み相談をしていく中で
新たな情報や観点を知った時
一般的には得た情報の中から
【自分にちょうどいい
    考えなどを選択して】
気持ちの整理をすることに
役立てるわけです。

【私たちは、
 自由に選択することができる】
これが大前提にあり、
そのうえで自己成長を目指します。

ところが、
誰かからアドバイスをもらったとき
操作される怖さを持つ人たちは
必要以上に他人から遠ざかり、
【人の話を聞きたがりません】
だから同年齢の人と比べても
持っている情報量や考えが少なく
世間知らずな感じになってしまいます。

だからといって私たちが意図的に
誰かを変えることはできません。
こういったときは
【どう励ましていくか】
ポイントになると思います。
*****まとめ*****
まず、
何かの提案やアドバイスをする際に
気を付けておきたいことは
【選ぶ権利が誰にあるか】
という確認をしておくことと、
【何も選ばないという選択】
存在していると伝えることです。

そもそも、
【恐怖を作り出しているのは
       当事者自身です】
ただそれに気づけないので
支援側に何らかの意図がないことは
最初に伝えておく必要があるでしょう。

当事者自身は、
自分の頭の中の声に気づきません。
”人から言われたら、
  その通りにしたり思ったり
      しなくてはいけない”という
【本人の勝手な思い込みが】
操作される感覚に結びついています。

そういった状況でも支援側は
当事者を応援することができるし
応援されると当事者は
【自然に期待に応えたいと】
思える時がやってくる可能性があります。

だから、
「こういう考えがあるよ」
「こういう方法があるよ」
「何か気に入ったのある?」
「できそうなことがある?」
といった声かけをしつつ、
その後の
【結果までフィードバックし】
共に向上するような
イメージ作りが大切だと思います。

時間はかかるでしょうが、
ある時お互い気づくわけです。
「あれ?前はできなかったのにね(笑)」
「気づいたら分かるようになってた」
このようなポジティブな変化を
実際に体験できることが
さらなるやる気につながります。

当事者の強い思い込みは
なかなか外れることがなく、
認知の歪みも結構あります。
だからといって
周りが何らかの声かけをしても
本人にはイメージできません。
だから
【実体験を積み重ねることで】
本人が自然と理解できるよう
支援していくことがポイントです。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:34 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年11月27日

人を見下す自分が嫌い

お客様とのセッションの中で
「すぐ人を見下してしまって…
  そんな自分も嫌になりますし…」
という言葉が出てきました。
この気持ちについて
今回は考えてみたいと思います。

人を見下す、ということは
考え方によっては
・自分はできる人間だ
・世の中の人は能力が低い
・こんなことも分からないのか
・自分は特別な存在だから
といった気持ちをもっている
可能性もあるかもしれません。

自信を持つことは素晴らしいし
その自信を生かしてほしいです。
だけど意外と
人を見下す人というのは
【何らかの部分に
   コンプレックスを持っていて】
それをカバーするために
頑張って積み上げた部分に関して
プライドを高く持っている、
ということも考えられるのです。

ちょっと話は逸れますが、
「僕(私)ってすごい!」と
小さい頃には
【根拠なく
  自分を信じる力が強かった】
というタイプの子どももいました。
これは、周りの大人たちが
その子を褒め称え、
良いところを伸ばそうと
協力してくれたからだろうし
祖父祖母からすれば
【無条件に
  かわいらしいと思う対象】
であったと考えられます。

こういった子どもの考え方は
”逆に必要なことでもあって”
大きくなるにつれて
【徐々に自分の力の限界を知り】
大人になってから
【身の丈に合った生き方をする】
という流れになると思います。

ですが、
小さい頃から人と比べられたり
コンプレックスが強いと
【幼少期の友達と
  大人の自分を比べるような】
いびつな比較が生まれるかもしれません。
それによって人を見下すことで
自分の心を守っていると思います。
*****まとめ*****
だから考え方によっては
現時点で人を見下す人は
【精神的に成長できていない】
という可能性もあるかと思います。

よく「厨二病」なんて言葉で
片づけられることかもしれませんが
自覚ある人たちはラッキーです。
これに関しては
【現実のことを知れば知るほど】
気持ちは落ち着いていくと思います。

たとえば、
自分のコンプレックスに関して
他の人のコンプレックスは
どんなものでどう感じているのか?
人の悩みはどんなものか?
自分よりできている人たちの
本音はどうなのか?など
自分視点以外の情報を集めて
理解を深めていくことで
今の自分の在り方を見つめなおし
気持ちの整理が進む感じです。

その時注意したいのは
”興味ある情報だけ集めるのではなく”
【耳の痛い情報に敢えて向き合って】
それを集めていくことです。

大人の世界は汚くて
幼少期に思っていたような
キレイごとばかりではない…ということも
併せて知っていくことになります。

そして、いつも言っている通り
「こんなものなんだな」という
【良い意味での諦めを積み重ねて】
精神的に落ち着いていくと思います。

逆に言えば、
それで諦めがつかないのだとしたら
「まだ若い証拠」です。
そのエネルギーもまた大切なので
それを”良い方向に”活用し
どんどんスキルを上げてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 21:43 | TrackBack(0) | 自己改革

2021年11月25日

自己有能感

前回は「自己有用感」だったので
今回は、自己有能感について
書きたいと思います。

これは簡単に表現すると
【私には能力がある】
自分で思っていることです。
自信のある人ですねぇ。
そう言い切れる人って
すごいなぁって私は思います。

ただ、
【そう思う根拠がない場合】
ちょっと行き過ぎると
まさかの厨二病…?(;^_^A
…とはいえ、
心からそう信じている人も
実際には存在しています。
(厨二病かは知りませんがw)

私のように知能が高くない人間は
自分が有能だなんて
ほとんど感じる場面がありません。
前回の話じゃないけれど
いつも「足りない」って思っていて
必死で知識にかじりついて
有能な方から見れば
滑稽な私なのでしょうね(笑)

この自己有能感も
【比較する人間がいてこそ】
味わえるものだと思います。
ですがそういった人たちも
カウンセリングなどの相談施設を
利用することがあります。

事例からピックアップしますと
【自分の思っていることと
   現実が伴っていない心配】
ということがあると思います。
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私は能力が高いのですよ。
成績はトップだったし
良い大学にも行ったし、
一流企業に就職したし。
なのに、いつも人となじめないし
なんとなく孤独を感じるんです。
私よりも能力の低い人間たちが
楽しそうにワイワイやっているんです。
なぜ、私がそのように扱われないのか?
それを知りたくて相談に来ました。
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相談内容だけを読むと、
なんと傲慢な!!!などと
感じてしまうかもしれませんが、
それは言葉の使い方だけで
実際には不安で相談されています。

この人の場合は
【成績=人間性の高さ】
という間違った認識を
どこかで覚えてしまっていて
それを社会に出てからも
自分の価値基準として持っていたため
うまく人になじめない自分に対して
疑問を持ってしまったということです。
*****まとめ*****
自己有能感も人には不可欠で
心の健康を保つために
持ち合わせていた方が
良いと思います。

ただし、
【人を見下すために】
そう考えてしまっていたり
【根拠がない
   行き過ぎた考えは】
自分にもダメージを与えます。

ですから、
程よくバランスよく…ですね。
いつもの言葉になりますが。

そして、
「有能である」と感じたとしても
【それは人間の能力の一部】です。
何かに特化した知識や技術、です。
だから、他の分野では
全然有能でない場合もあります。

【人は有能であるが、
     万能ではない】
ということを念頭に置いて
自分磨きをされると
良いのではないかと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 16:16 | TrackBack(0) | 自己改革