2021年09月28日

「知らない」と「分からない」

何かを質問した時、
「知らない」と答える人と
「分からない」と答える人がいます。
どちらも同じ意味を示す言葉ですが
印象が少し違いますよね。
受け止める人によって異なりますが
どちらかというと
「知らない」の方が冷たく感じます。

知らないことを知らないという…
なぜ「分からない」では感じないのに
「知らない」だと
冷たく感じるのでしょうか?

それは、
【一度は考えてみたかどうか】
という印象の違いかと思います。
もともと、知らない情報だとしても
直接的に「知らない」というより
【自分なりに一度、
   考えたり想像したりして】
その結果「分からなかった」という方が
【少し協力的なイメージになり】
聞く側にとっては
「考えてくれたのだな」と感じます。

日本語では、こういった
”わずかなニュアンスの違いから”
会話の印象が変わりやすいです。

発達障害の傾向を持つ人たちは、
【言葉の選び方が不器用で】
いわゆる”話し言葉”については
うまく使えないタイプが多いです。
そのため、何か質問をされると
即座に「知らない」と断言し、
とても冷たく感じることがあります。
*****当事者の方へ*****
人同士の会話の目的は、
疑問を解決するなどだけでなく
【一緒に考えてほしい】とか
【話を共有してほしい】などの
思いが含まれることが多いです。

ですから、世間話的に
興味のない話題を振ってきて
その中に質問があったとすると
【あなたも考えてみて】という
サインだと思ってください。

このやりとりの中で
【相手と考えを共有し】
分かり合っていく過程を辿ります。
そこで「面倒だ」と思って
冷たくあしらってしまったり
「自分の考えだけが正しい」と
一方的に意見を押し付けたりすれば
分かり合うことはできません。

相手「私はこう思う」
当事者「いや、違う、こうだ」
という流れではなく、
相手「私はこう思う」
当事者「なるほど、そういう考えか。
    そして自分は……」
という流れで考えてください。

相手の考えに納得できなくても
【それが相手の気持ちなのだから】
それを他人が
否定する権利はありません。
このやりとりが上手くいかず
トラブルになるケースは多いです。

前々からお伝えしていますが、
相手の考えを聞いたからと言って
【相手と同じ考えに
  ならなくても良いのです】
自分の気持ちは自分のものです。
他人に変えられる権利はありません。

この、【自分と他人の区別】
しっかり意識しながらも
一緒に考え、時間を共有することで
より一層他人のことを知り
”情報の一部として”
ストックしていくことが
できるのではないでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 09:47 | TrackBack(0) | 発達障害