2021年09月04日

TPOが分からない

発達障害傾向を持つ人たちは
【場違いな行動や言動以外にも】
TPOの判断がつかないことが多く、
それが原因で
トラブルになってしまうことがあります。
私の担当している方々は
社会で普通に働いている
極めてグレーな人たちなので
基本的には
【周りの状況を見たり、
     お手本を探して】
なんとか過ごしているのですが
結構多くの人たちが
最初から理解できているのではなく
何らかの失敗をして気づく、
ということが多いようです。

例えば、就職して初出社の日に
「私服でOKです」と言われたので
渋谷系若者の格好をして行ったとか、
ビーチサンダルで出勤したとか
そういったことがありました。

当たり前のことですが
その人は上司から注意されます。
ですが
「私服でいいと言ったじゃないですか」と
当事者は反発するわけです。

また、飲み会では
「本日は無礼講で」と言われたので
お構いなしに上司に文句を言ったり
無礼な態度を取ったりして
翌日から疎外感を味わう、など
TPOに関しての困り事は
一人ひとり違うでしょうが
色々とあるようです。

アスペルガータイプの人にとって
分からない言い回しは
次のようなことになります。
・ざっくりとした説明
・遠回し、遠慮がちな言い回し
・比喩を使った表現
・擬音での表現

上記の服装に関してですと
私服OKの意味について聞くと
「ジーパン以外ならOK」など
【限定されない言い方】
理解が難しいかもしれません。
「〜ではない」というのも
ざっくりとしていて
遠回しな言い方ですよね。

企画書作成などの際の説明も
「ガツンと」「シュッと」など
分かりにくいと思います。
*****当事者の方へ*****
指示された内容が分かりにくいのに
勢いで「分かりました」と
うっかり言ってしまう人と
納得いくまで考え込む人などが
いるとおもいますし、
分からないと思っても
確認の仕方が分からない人も
いると思います。

ジーパン以外とは何なのか?
短パンはOKなのか?などなど
分からないことが思い浮かんでも
「何て言えばいいのかな…」と
悩んでしまうかもしれません。

ですから、いざという時のために
【質問形式の
   フォーマットを作成し】
準備しておくことが大切です。

例えば、箇条書きで
・「〜とはどういうことですか」
・「〜の部分をもう一度
      説明していただけますか」
・「〜はOKですか」
といった”セリフ”を
ネットや本なども活用しながら
思い出せるだけ書き出して
覚えておくと良いでしょう。

そして欠かさないようにしたいのが
指示の全体が見えてきたら
【最後に必ず自分から
    言い直して確認する】
ということです。
理解できたかどうかを知るには、
ただ聞いて”分かった”ではなく
【自分の口で説明できるかどうか】
というところを基準にしてみてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:49 | TrackBack(0) | 発達障害