2021年08月17日

仕事が続かない

前回はお金の話でした。
お金を得るには
働かなくてはいけませんが、
ADHD特性を持つ人たちの
もう一つ大きな悩みとして
【仕事が続かない】
ということが挙げられます。

統計データでは、
中卒の7割・高卒の5割・大卒の3割が
就職後3年以内に退職している、
ということが言われています。
その中でも驚きの理由は、
「思ったのと違ったから」
というものがありました。
一体、働くことを
どういうことだと捉えていたのか?
とっても気になるところです。

ところで、
ADHD特性を持つ人たちの
離職理由は、ちょっと違います。
(もちろん上記データの中に
 そういう人も含まれていますが)

・仕事に飽きた
・同じミスを何度も繰り返した
・温厚な上司をキレさせた
・仕事が回ってこなくなった
・会議に参加させてもらえない
・迷惑をかけすぎて
   居場所がなくなった
・申し訳なくて逃げた

こういったことを
相談内でよく耳にしました。

つまり、
【特性によって
  迷惑をかけてしまい】
企業の利益追求とは
逆方向に行ってしまって
仕事がやり辛くなる…
という状況なのだと思います。

発達障害が
世に知られている割には
それぞれの特性や対応は
知らない人が多いように思います。
そういった概念があるのね、
でも自分は関係ない…みたいな。

それが実際の職場で蔓延し、
【自分たちで
  フォローしあうような】
環境が整ってはいません。
もちろん、
中には協力的な上司がいますが
だとしても専門的ではないので
どうしていいのか分からない、
というケースが多いようです。

また、
当事者に悪気がなくても
再三同じことを指導するのに
同じミスをされる周囲の人たちが
どんどん病んでいってしまい
離職するケースも増えています。
*****当事者の方へ*****
仕事を選ぶ場合には
【他人を比較対象とせず】
みんながこれを選んだから
自分もそうしよう…
などと考えないことです。

自分のことを知っている人など
身近な相手に相談し、
・自分の好きなこと
・自分に向いていること
・自分にできそうなこと
などを洗い出して組合せ
そこから職種を選んでください。

気を付けたいことは
【ただ一つの理由だけで】
選ばないことです。
好きだから、やりたいから、
待遇がいいから…
といった一つの側面で考えて
職種などを選んでしまうと
現実的に合わなかったり
ミスが増えてしまったりして
同じことの
くり返しになるかもしれません。

だからといって、
働いている人たちがみんな
【理想とする働き方は
     できておらず】
少なからず妥協しながら
毎日を過ごしています。

何を優先して何をガマンするか、
そういった観点も
大切かもしれませんね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 17:33 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年08月14日

お金を使いすぎない方法

ADHD傾向を持つ人たちは
・計画性に欠ける
・衝動的に動いてしまう
・すぐに忘れてしまう
などの特性が原因で
幼少期から失敗だらけ。
周りから怒られることも多く
自己肯定感が低い人からの
相談は後を絶えません。

成人して独り立ちしても
さまざまな問題を
抱えていることが多いので
日常のトレーニングを積み重ねて
【自律すること】
目指して頑張っている人たちです。

その中でもよくある問題が
”お金”についてです。

定職がある場合、
1ヶ月に得られる収入は
ある程度決まっていますから
その中で生活しなければいけないし
この不安定な日本では
【貯蓄が欠かせません】
この頃は投資もメジャーですが
それには知識が必要です。
ですからまずは、
日々の生活の中で
【お金をどう使うか】
ということに注目します。

一般的に、節約するときは
食費から削ると言われます。
また、水道光熱費や
交際費にも注目しますが、
ADHDタイプの人たちは
【余計なお金を払って、
     物を蓄えたがる】
というイメージなので
一般論とはちょっと違います。

物を蓄えたがる割には
【物を大切にしない】
という特徴もありますから
相談者それぞれの生活に基づいて
一緒に考えることが大切です。
*****当事者の方へ*****
当然のことながら
これまでの気分のままで
節約はできません。
まずは自分自身が「やるぞ」と
決心する必要があります。

私が相談を受けてきた中で
ある程度共通しているのは
【雑貨や日用品で、
  同じものを複数集める】
ということがあります。
私もどちらかというと
ADHDタイプですから
その気持ちは…
と〜っても分かります(;^_^A

例えば、事務用品。
新商品が出れば気になるし、
家にボールペンがあるのに
また新しいものを買ってしまう。
それを繰り返して
家の中はペンだらけ、とか(笑)

これが時々なら問題なくても
長年の積み重ねを振り返れば
【無駄遣いとしか
    言いようのない】
行動のくり返しなわけです。
*****節約ポイント*****
まず、部屋の中で
【どこに何を置くかを決め】
そこからはみ出したら処分、
というルールを決めます。

それぞれの箱の大きさを
どう決めるかなど難しいので、
誰かに手伝ってもらう方が
事が進みやすいです。

そして、買い物についてです。
例えば、特にこだわりなく
必要なものが見つかった場合、
通りすがりで目についたからと
高いものを買うのではなく
【100均に行くまで買わない】
というルールを作ります。

特定の物を手に入れたいけれど
なかなかそれが見つからない、
100均にもない、という時は
【ネットショップで
    その商品だけ】
買うようにします。
特定のものが、
とある店にしかない場合は
【そこでしか買わない】
という風に考えてください。

それらには交通費や
送料が発生しますから
それも含めて考えます。

また、買い物する際には
スーパーの買い物同様に
【メモに書いたものだけ】
買うように心がけます。
スマホなどで【カテゴリ別に】
リストアップすると良いでしょう。

「100均買い物」
「スーパー買い物」
「ドラッグストア」
「Amazon」etc…。

できればその行動などについて
【家族や相談できる人と
  フィードバックしましょう】
できたこと、できなかったので
次の課題にすることなどを
【習慣化できるまで
   何度も振り返って】
イメージを定着させてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 12:20 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年08月12日

時々、精神的に疲れる

自分にとって丁度いい、
都合の良い世界というのは
なかなか実現できないもので
”人との関わりがある以上”
予測のつかないことだらけです。

私たちは日々、
その予測不可能な状況に
臨機応変に対応しなければいけないし、
そこでうまくいかないことも
多々起きているものですよね。

それで私は、
発達障害傾向を持つ人たちへの
関わり方をお伝えしていますが
これは
【当事者を変えるものではなく
    当事者を知るための手段】
とも言える方法です。

ですから、その方法を覚えて
当事者と上手に関われるようになり
当事者の気持ちが分かるようになっても
支援側が
【気楽で居られるとは限りません】

どういうことかというと、
当事者と関わるに当たって
支援側の人たちは
【話し方と考え方を
  変える必要があります】
誰でもですが、
相手に合わせようとする時
その必要性に
【納得できても
  感情がついていかず】
そこで葛藤が起きるものです。

特に女性で、
感受性の豊かなタイプの人は
感情面が先立ってしまいますから
その関わり方を習得するとき
「どうしても譲れない」という
気持ちとの闘いになると思います。

ですが、努力してみて
当事者と良い関係になっていくと
好奇心旺盛な人たちは
どんどんトライしようとします。
そのようにして実際に
関係が良くなった人もいますし
当事者の気持ちを知って
もっと合わせられるように
なった人もいます。
*****疲れた時は*****
関わっていく方(支援)は、
【いつも考えながら
   対応しているので】
当事者との関係がうまくいっても
【定期的に疲れて
  ヘトヘトになります】

相手が定型発達の人と比べ、
【限界が来る
   タイミングは早く】
【精神的疲労の程度は重く】
場合によっては
心をすり減らしながら
当事者と
過ごしているかもしれません。

だけど忘れないでください。
【それは当たり前のことです】
なぜなら、
気楽に自分のペースで
過ごせていないからです。
年月が過ぎるにつれて
徐々にその生活に慣れても
【よく分からないモヤモヤ】
常に発生すると思います。

そういった時に
【できない自分を
   責めないで下さい】
誰かのために”変わろう”と
思った自分を褒めてください。
そして、しっかりと
愚痴をこぼしてリセットして
またいつもの生活に戻りましょう。

どんな人でも
愚痴りたくなることはあるし
日々の小さな積み重ねが
ストレスになることと思います。
当事者との関わりというのは
【自分の考えに
  折り合いをつける、
     という意味で】
簡単なようであって
シンプルではありますが、
とっても難しいことなのです。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 19:51 | TrackBack(0) | 発達障害