2021年05月16日

誰にでもシナリオはある

発達障害傾向に悩む人たちには
あらかじめシナリオを作ると
いざというときに便利だと
私はいつもお伝えしていますが、
実は
【どんな人にも
   シナリオは存在し】
それは
・社交の場
・ビジネスマナー
・冠婚葬祭
こういった時に発揮されます。

これは特別なことではなく
シナリオ自体を持つことは
【むしろ当然のことで】
発達特性を持つ当事者たちは
【当然のものを
   持とうとしなかった】
とも言えるかもしれません。

その一つが”振る舞い”です。
こういう時は、こう振舞う…
ということに対して
興味を持たなかったり不要と思えば
スキルとして身につけられません。
分かりやすいところで言えば
【挨拶を必要としなければ】
誰に対しても挨拶をしないし
ちょっとした声かけもしません。

それは、
【できないのではなく、
      覚えていない】
と考える方が現実的な気がします。

特に、
アスペルガータイプの人たちは
・こだわりが強い
・人に興味が薄い
・指示されることを嫌がる
・納得できないと動けない
といった特徴があることから
【多くの人が
  当たり前としていることに反発し】
あまのじゃくのような態度を
取ることが少なくありません。

個人個人によって
価値観は異なりますが
シナリオのない人の背景には
こうした事情もあるでしょう。
*****当事者の方へ*****
私たちが
当たり前に持つシナリオとは
【月並みな対応の仕方】です。

何かを与えられたら(してもらったら)
「ありがとうございます」
電話をかけた時は
「〇〇と申します」と名乗ります。
それすら、しない人が増えています。

それによって
社会や人間関係から孤立し、
なんとかしたいと悩んだとき
有効と考えられる方法は
【ロールプレイ】です。

ロールプレイでは
何らかのシチュエーションを考えて
それに沿った会話をしていきます。
終わった後に
良かった点と改善点などの
【フィードバック】を行います。

それは当事者を
【称賛するでも責めるでもなく】
【次の課題に
  繋げるために必要な手順】
だと考えてください。

私の臨床事例にもあることですが、
人と仲良くなりたいと言いながら
ケンカを売るような態度、
あまのじゃくのような態度を取り
言っていることとやっていることが
【矛盾した態度を取る人】
まず、その意識改革が必要です。

態度について想像できなければ
お手本があった方がいいですよね。
そのような場合には
グループワーク、自助グループなど
【複数の人たちの集まりで】
取り組みを始めてみてください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:38 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年05月13日

ASD・ADHDタイプの人が苦手なこと

発達障害の名前は世の中に浸透し
ある意味「ブーム」の去った
定着した言葉となりました。
その時代によって
流行り言葉があるという人もいます。

今回は、
軽度の発達障害傾向を持つ人たちを
見てきた私が感じたことで
「それぞれ何を嫌がるの?」について
書いてみたいと思います。
もちろん、全員がそうではないし
発達特性とは関係ない場合もあります。
ただ、なんとなく「総合して」という
感覚の話になるので
明確なデータはありません。
それを踏まえて読んでくださいね。

=ASDタイプ=
ASD(アスペルガー)タイプの人は
基本的に平和主義で
温厚な性格の人が多いと思います。
ただ、フラッシュバックが起きたり
イライラや不満を
上手く発散できなかったりするので
それが態度として出ることがあります。

その怒りや不満の理由には
【ルールは自分で決めたい】
【納得できない】
【指示をするな】
こういったことが多い気がします。

ルーティンを崩されることを嫌がり、
納得できる説明を受けないまま
一方的に人から指示されても
反発心が出てくるだけ。

「そうすると、どうなるか」など
先の先のことまで分かっていないと
自分は納得できない。
自分を動かしたいなら
【すべてのことを説明してから】
指示してほしいといった気持ちで
人と関わっていることがあります。

=ADHDタイプ=
好奇心旺盛で愛想がよい人や
おっとりとしてちょっと抜けている
かわいらしい天然の人もいます。
私のイメージとしては
「楽しい人」「愛らしい人」
という感情を持ちやすいです。

ですがその特性から、
人の話を聞いていなかったり
ボーっとして
色んなことを忘れてしまったりと
生活自体に影響を与えるような
問題となる点が多いです。

プライドはとても高いですが
【失敗を重ねてきているので】
自分を強く見せるよりも
人の指示を聞いて動くことに
あまり抵抗がないかもしれません。

ただ、人の指示で動くというのは
【責任を取らない姿勢】とも
言えるわけで、
何かトラブルが起きた時には
そこから逃げてしまうこともあります。
【責任の取り方が分からない】
という大人もたくさんいます。

*****人間関係について*****
どちらのタイプも
【人間関係が長続きせず】
悩んでいる人がいます。

ASDタイプであれば
特定の誰かと仲良くなりたいけれど
興味の持ち方が分からず
それが異性であっても同じことで
少し仲良くなれたとしても
【役割の終了と同時に
     関係が終了する】
という経験者が多いです。

ADHDタイプの人は
【飽きっぽさ】はあると思いますが
注意性の特性が強い人の場合は
迷惑をかけている周りに対しての
【申し訳なさから縁を切る】
ということが多いと分かっています。

「こんな自分は、
  仲良くしてもらう価値はない」
などと一方的に思い込み、
連絡を途絶えさせることがあります。

仲良くなりたいのに、そうなれない。
とても悲しいことですよね。
こういったことで悩んでいる場合、
【同じタイプの人が
    集まるグループで】
まずは悩みを話してみたり
共通の話題を見つけてみたりして
そこからリハビリ的に
人間関係を
広げてみてはいかがでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 15:10 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年05月11日

自分のやりかたでやる

「なぜ、言われた通りに
  しなければならないのか?」
「私は他人の操り人形ではない」
就職したばかりの頃に
アスペルガー傾向を持つ人たちが
陥りやすい状況について書きます。

会社というのは
【その会社ならではの
    ルールが存在します】
最先端のツールを活用していれば
ペーパーレスでデータ重視でしょうが
古くからある企業などでは
未だアナログな紙ベースの部署も
多々存在していると思います。

それぞれの環境に配属された時
当事者たちは
【指示されることを嫌い】
自分のやり方で
作業を進めようとすることがあります。

それで結果的に成功すれば
問題がないと思われがちですが、
完璧にいくはずもなく
時々ミスは起こります。

その作業が複雑になればなるほど
ミスの頻度は増し、
それでも教えられたとおりでなく
自分のやり方を遂行する人は
【ミスが連続して起き、
    評価が下がります】
そうなった時、実際に多いのは
・ミスを認めない
・自分以外の責任にする
・謝らない
こういったことで人間関係が悪化し
それを上司が咎めたとしたら
今どきは「パワハラだ」と
当事者は怒りだし、
下手をすれば訴えてしまう
可能性もあり得るでしょう。

だから周囲の人たちは
”触らぬ神に祟りなし”といった感じに
少しずつ距離を置いてしまい
結果として当事者は孤立します。

また、自分のやり方を通すと
【業務の目的を忘れたり
  変わったりしてしまいやすく】
頼まれたことと違うことを
報告することになりますから
結果的にそれが「ミス」として
問題になってしまうのです。
*****当事者の方へ*****
例えあなたが能力の高い人間でも
万能な人間だとしても
【新しい場所へ参加した】という
事実に変わりはありません。

私たちは誰もが
新しい場所に参加した時には
【必ずその場所のルールを覚え】
数年間は修行します。
その時は、どんな立場であっても
ある程度言われた通りのことを
言われたように遂行します。

それによって
【全体の流れが見え始めたら】
少しずつオリジナルの方法で
自分のやり方を加えていきます。

最初から自分のやり方を通すより
メリットがあるのですが
もしミスをしてしまったとしても
【問題点を発見しやすく】
【次の課題につなげやすい】
ことが挙げられます。

アスペルガータイプの人たちは
組織に属していても
【個人商店のような
    働きをしてしまい】
周りとの協調性を保てず
孤立することが多いと思われます。
自分のやり方を通すことも
その一つであると考えられ、
それを曲げることができないなら
就職することはお勧めできません。

そういった人たちは
そもそも能力が高いのだから、
起業・独立を検討して
自分のやり方を徹底的に遂行し
力を伸ばしていく方が
社会的に成功すると思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 06:43 | TrackBack(0) | 発達障害