2021年03月06日

あっち?こっち?そっち?

発達障害傾向を持つ人たちは
自分から見えるものについては
観察力に優れています。
それは私が聞いてきた中では
【無機物のものに興味を持ち】
有機物である人に関しては
少し違うようです。
そして、
人と同じことをしようとすると
上手くいかないことがあります。

【ミラー現象】と呼ばれる
言葉があるのですが
【相手を真似るのが苦手】
という人が存在します。

例えば体育の時間に
ダンスをすることになったとして
お手本を真似て踊るのですが
【向きが真逆になってしまい】
お手本通りにいきません。

それで、
タイトルの話になるのですが
あっち・こっち・そっちの
瞬時の判断が難しかったり
左右を逆に間違えたりして
周囲を困惑させることが
よく起きているようです。

今回は、二者関係での
あっち・こっち・そっちの
説明をしてみますね。

自分と相手が話しているところを
思い浮かべてください。
自分の発言の場合、
「こっち」は自分側、
「そっち」が相手側、
「あっち」は
二人とは離れたところです。

相手の発言の場合、
「こっち」は相手側、
「そっち」が自分側、
「あっち」は
二人とは離れたところです。

「そんなの知ってるよ」と
思われたらごめんなさい。
でもこの考え方、
大人になっても
【意外と分からない人が
       多いのです】

なかなか瞬時に判断するのは
難しいことかもしれませんが、
その時は
「ちょっと待って」とお願いして
上記のことを思い出しながら
判断してみてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 09:45 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年03月04日

当事者が嫌がること

(今回は支援側の内容です)

誰だって、
何かを押し付けられること、
強制されるのは嫌なものです。
ですが中には
自分で決めることが苦手で
誰かに決めてほしいと
思っている人もいます。

世の中、
色んな考えの人がいますが
発達障害傾向を持つ人たちが
相談される内容では
強制されることなどに対する
【感じ方が非常に強く】
なぜ、人がそんなふうに
自分を貶めるのか…くらいの
思いをしているケースがあります。

分かりやすい例が、職場です。
例えば、
発達障害の特性を持つ当事者が
新しい仕事を任されたとします。
前任者はあらかじめ
仕事の手順を伝えるのですが
当事者はその通りに作業せず
ミスをしてしまいました。
前任者は、
「私の言ったとおりに
   やってみてください」と
当事者に伝えた途端、
当事者は
【火が付いたように怒り出し】
「お前は何様なんだ!」と
怒鳴ってしまいました。

これは極端な例ですが、
怒鳴るまではないとしても
「これが私のやり方です」と
頑なになってしまったり
「私を否定ばかりしている」と
いじめを訴えたりするような
【認識のズレが大きくて】
人間関係に亀裂が入ります。

当事者の思いを翻訳すると…
・自分の方法でできる
・なぜこの方法では
     いけないのか?
・私をコントロールするな
こんなイメージだと思います。
******************************
ここから、仕事の話を参考に
当事者の嫌がることについて
説明します。

当事者の人たちは
幼少時代からマイペースを保ち、
人に合わせることができませんでした。
だから、会社に入っても
【周りと同じペースを
     保つのが難しく】
作業内容についても
”なぜ、そうしなければ
       ならないのか”
分からないで遂行していることが
多いのではないかと思います。

そういった中で、
当事者がミスを指摘され
さらに自分のやり方を否定され、
【意味が分からないまま
   自尊心が傷つけられる】
という状況に陥ります。
だから、当事者が怒るのです。

ですが、ミスはミスです。
当事者自身もそれは分かります。
ただ、
【具体的に何が原因か】
分かっていないことが多いです。

上記の仕事例で言えば、
当事者が
自分のやり方でやっていて
ミスが起きたことは
やり方に関係しているとは
考えていない場合があります。
それどころか
【存在を否定されている】
全然違うことを
考えている人も結構多いです。

今回はざっくりと
その対策を書きますが、
【本人が納得できる
      丁寧な説明】
これが欠かせません。
私たちの間なら
「言わなくても分かること」でも
当事者にとっては
【教えてくれなければ
   ずっと知らないまま】
ということも考えられます。

なぜなら、
想像力が弱い人がいるからです。
他の事例と今回の事例を
結びつけて考えられないからです。

これを踏まえて
当事者と関わってみてください。
言わなくても分かることが
言わなければ分からないこと、
ということを念頭に置いて
関わってみてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:40 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年03月02日

行動の切り替えについて

発達障害傾向を持つ人には
【行動の切り替えガ苦手】
という人が多いです。

ASDタイプの場合、
こだわりが強すぎて
今やっていることを止められない。
ルーティンが決まっているから
その順番でないと
次に移れないなどがあります。

ADHDタイプでは、
目の前の興味に飛びついて
そこから離れることができない、
さらに次のことを忘れてしまう。

こういったことが原因で
行動がなかなか切り替えられず
【自分も困るし
   周りも困っている】
というケースが少なくありません。

この問題を解決するには、
大人の場合ですが
【納得してもらうこと】
一番最初に来ると思います。

どちらのタイプの人でも
相手は大人ですから
行動の切り替えができないことで
どんな【デメリット】があるか
丁寧に説明したり、
どうしても改善できないので
その場合は一人で頑張らず
「一緒に取り組みましょう」と
【一人にしないこと】など
本人に納得してもらうには
あれこれ策を練ることが大切です。
*****当事者の方へ*****
行動の切り替えが苦手なことを
自覚している人、
または「あなたは遅い」など
日々ダメ出しをされている人は
【自分がどういうタイプか】
また、
【どんなときに困るか】
まずは考えてみましょう。

自分で分からない場合には
【周りの人に確認して】
その場面がいつなのかを
把握するところから始めましょう。

そして、ある程度
自分の苦手を許容しながらも
”いつ切り替えるか”
自分で決めておくといいです。

例えば、ASDの人で
ルーティンが好きな人は、
【毎朝必ず予定表を作る】
【切り替えの時間を決める】
【途中でも止める決心をする】
だけど一日の後半で
こだわり続けてもいい
【自由時間を作る】といった
自己管理が大切になります。

ADHDの場合には
【基本的に”今”】という
言葉を頭に叩き込んでください。
その時何かをしていて
途中になっている場合には
切り替える前に
【やっていたことをメモし】
それを目に付くところに貼って
次の行動に移ります。
また、周りの人に
【声掛けをしてもらうよう】
あらかじめお願いしても
良いと思いますよ。
*****最後に*****
色んなアドバイスを読んで
取り組んでもできない…と
困っているかもしれません。

ただ、私たちは誰もが
【何度も繰り返し練習して】
ようやくできるようになった、
ということばかりです。
傍から見れば
「簡単にできていいよね」と
思えるかもしれませんが、
実際にはそれは
何度も失敗しながら
繰り返し積み重ねた結果です。

だから当事者の方々も
数回失敗しただけで
「ダメ人間だ、絶対できない」
などと悲観しないでください。
こういったトレーニングでは
【粘り強さが】
改善につながっていきます。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:13 | TrackBack(0) | 発達障害