2021年03月20日

できない自分はダメな人間

私はいつも
「こうしてみたらどうかな?」
「こんな方法はどうだろう?」
といった内容でお送りしていますが、
こういった方法を記事にしても
「だって興味がないんだもん」と
発達障害の特性を持つ人たちは
言うことが多いです。

自分にしか興味がない
人に興味がない
だから、
人の言っていることにも興味がない。
だけど自分は困っているし
分からないことが多すぎる
だから誰かどうにかして…
という堂々巡りの生活を
どうすれば改善できるのでしょうか?

当事者の話を聞いていると、
「他の人はどうしてできるの?」
という質問がよく出てきます。

その違いの一つには
【他力本願かどうか】
含まれていると思います。
発達障害の特性を持つ人でも
自分で克服してきたケースはあり、
そのような人は
「自分でどうにかしないと 
     大変なことになる」と
一大決心をしたと聞きます。

つまり、
自己成長のためには
【方法論以前に、
    決心すること】
大切なのです。
強い気持ちがなければ
自分を変えるのは困難です。
もしも決心に至らないのなら、
「自分はやっぱりだめだ」と
思うのではなく
「改善しないことに決めた」と
考えてほしいです。

もちろん、
【努力しない選択にも
     責任は伴います】
その責任から逃れると
周りに迷惑をかけることに
つながる可能性があります。

例えば、
人間関係が難しいので
「働かないことに決めた」
そのためお金がないので
”親に面倒を見てもらう”とか
”生活保護を受ける”など
自分の責任放棄によって
【周りを巻き込んでしまう】
可能性があるということです。
*****最後に*****
「生きる」というのは
本当に大変なことです。
私も時々、しんどいなって
思うことがあります。
きっと多くの人がそのように
思ったことがあるでしょう。
それでも時間が流れていくし、
年も取ってしまう。
だからせめて
【今の自分に
  できることは何かな?】
考えて自分を磨くのだと思います。

当事者談として、
最初は何もかもが
できないと絶望していたけれど
サポートしてもらいながら
少しずつできることが増えたら
・自分を肯定できた
・少し興味が増えた
・達成感を味わえた
などなど、
ポジティブな話を
たくさん聞くことができました。

せっかく生きるのなら
何にも期待を持てない日々と、
努力して少し良くなる日々と、
どちらが充実するでしょうか?
諦めるのはいつでもできます。
ですから、
その前にやれることを見つけて
取り組んでほしいと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:48 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年03月18日

想像力の補い方

前回の
「ある程度の余白」に引き続き
記事を書いていきます。

ある程度の余白を作るには
【想像力が大切で】
発達障害傾向の人たちは
想像力が不足していたり
経験値が不足していたりして
予測が困難であることが多いです。

そこで今回は、
想像することが苦手な人たちが
どうすれば少しでも
できるようになるかなぁ?と
考えてみました。

まず、大前提となることがあります。
私たちと当事者たちでは
【自分に関連づけられるかどうか】
という違いがあります。

他人に興味のない当事者たちは
他人の話を聞いても
・興味がない
・自分には関係ない
・知らない話
といった感覚になりやすく
すぐに忘れてしまったり
意味を考えようとしなかったりして
何かに結びつけることをしません。

もし、想像力を身につけたいと
心から願っているのであれば
「自分には関係ない」という考えを
捨てるところから始まります。

次に、どう結びつけるか?
これもまた困難なものです。
Aさんの体験談を聞いても
当事者にとってそれは
Aさんの話でしかなく
「もし自分だったら…」という
発想につながりにくいです。

ここで大切なことは
【いつか自分も
  同じ体験をするかもしれない】
などと考えてみることです。
Aさんが事故に遭った。
事故に遭うということは…
ケガをするかもしれない
後遺症が残るかもしれない
このようなことを考えてみます。

※よくある話では、
 当事者は「自分は事故に遭わない」と
 思う節があるようです。

自分から目に見えるもの、
聞こえてくるものの多くが
自分がいつか経験する「かもしれない」
ものだということを知りましょう。
それは、
100%の確率で経験することではなく
あくまでも【可能性を考える】
ということになります。
ですが、この”可能性”を
気にしている人とそうでない人とでは
想像できる範囲が大きく変わります。

仮にネットで何かを調べても
【一度に大量の情報は得られず】
キーワードに対して
少しの結果しか表示されませんが
調べる以外に人にも聞いたりして
それで得た情報を
【自分の感覚で
  選り分けることをせず】
リストを作ってみるのも
良い方法だと思いますよ。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:57 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年03月16日

ある程度の余白とは?

前回、
人生は思い通りにいかないもので
人は年を取るごとに
それを痛感しているといった
内容を取り上げました。

それを軽減させるために
大切なことが
”ある程度の余白”なのですが、
今回はこの具体的な例を
書いてみたいと思います。

例として分かりやすいのは
結婚〜老後あたりです。

例えば、
シナリオ通りに生きたい人が
自分の結婚生活を
計画していたとします。
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30歳で結婚、32歳で第1子が生まれ
35歳で第2子が生まれる。

39歳で子どもが小学生になり
42歳から塾の費用が発生する。
子どもは私立中学に入学させ、
有名大学に入学させる。

二人目の子どもも同様にする。
大学は国立大学のみに限定するので
予算はだいたいこのくらい。
*******************************

詳細を書くと長くなるので
ざっくりとしたシナリオにしました。

仮にこのシナリオを作った人が
アスペルガー傾向の人であれば
【その通りにならなかったとき
  パニックを起こすかもしれません】
そのパニックは、
・一方的に配偶者の責任にする
・子どもを怒鳴りつけ支配する
・脅迫めいた暴言を吐く
こういった可能性も考えられます。

当事者にとっては
決められたシナリオ通りになりさえすれば
【家族の気持ちは関係ないので】
目的遂行のためだけに
こういった関係図が描かれるのです。

ですがどうでしょうか?
実際には、予定通りに行かない…
というのは例えば
*******************************
35歳で第2子が生まれたとき、
妻が亡くなってしまった。

45歳ころから
子どもが不登校になってしまった。

47歳の時に
自分が癌に侵されてしまい
高額な医療費が必要になった。
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こういったことが起きれば
シナリオの一部が
強制的に変更されることになり
【見直しが必要になります】

*****まとめ*****
ある程度の安心を得るために
誰でも「ざっくりとした計画」を
立てることは当然のことです。

そこで、余白を用意するのは
【イレギュラーに対応するためで】
それを用意できていないと
家族は崩壊してしまいます。
なぜなら、
計画の中には自分以外の
【感情を持った人間が
     関わっており】
少なくともそこだけは
自分の思い通りには
ならないからです。

その余白の作り方は
次のような感じです。
*******************************
妊娠できない場合には、
〇〇歳から不妊治療を開始する。
ただし、二人が承諾した上で。

子どもが公立の学校に行きたい、
アメリカンスクールに行きたい、
それぞれのパターンを考える。

子どもは一人だけの場合もある。
もしかすると
私大を希望するかもしれない。
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こういった、
【自分の望むことと、
   別で起こりそうなこと】
想定をしておくことが「余白」です。

自分の人生だから、
自分のことだけを考えて
生きて行けばいいわけではありません。
配偶者には配偶者の人生が、
子どもには子どもの人生があり、
みんなが自分に合わせてくれるのは
支配的な家族の図式になります。

これを踏まえて、
どのくらい余白を持てるかが
重要なポイントになります。
その部分の想像ができない場合には
【経験者にインタビューして】
可能性の幅を広げていってください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:58 | TrackBack(0) | 発達障害