2021年02月04日

ASDの多動っぽさについて

多動はADHDの特性ですが
周りの人から見て、
ASDの人たちでも多動っぽく
見えることがあります。

以前も取り上げて
もう分かっている人は
おさらい的に読んでくださいね。

彼らが落ち着きなく
多動っぽく見えるときの心境を
一言でまとめると、
「どうしたらいいか、
      分からない」です。

私たちは、
色んな場面に直面して
その状況が変わるたびに
そこに合わせて
自分の行動や言動を選択します。

ですが、当事者に
選択できる情報がなければ
【選択肢が見つからないため】
どうしていいのか
分からなくなってしまいます。

その時、当事者は
【居場所感を喪失します】

「居場所感」とは
・その場での役割
・そこに居ても良いという許可
・自分を受け入れてもらえる安心感
などのことを言い、
「私はここに居ても良いのだろうか?
 周りは受け入れてくれているか?
 私はここにいて何の意味があるのか?」
こういったことを
感じることが多いようです。

それでもしも当事者が
疑問に思ったことを
誰かに聞けるとして、
「私は何をすればいいですか?」
「私はここにいていいですか?」
なんて聞かれた相手は
「あー…よく分からない」
「いいんじゃないの」
こういった曖昧な返事をすると思います。

特に、
その場にリーダー的な人が存在せず
指示的な役割を必要としない
場であれば曖昧ですよね。

そこで当事者は
「用事が終わったから帰る」という
選択をするかもしれません。
よくあるエピソードが、
繁忙期でみんなは残業。
当事者は定時になったので
周りの雰囲気などを気にせずに
さっさと退社してしまう。

それは「役割」が
終わったことを意味し、
当事者にとっては
何がいけないのか分かりません。

その場での
自分の役割が分からない
役割が見つからないような時、
ASD特性を持つ人たちも
落ち着きがなく
多動に見えることがあります。
*****当事者の方へ*****
複数の人たちと過ごす場合、
最初は役割がハッキリしていますが
誰でも自分の仕事が終われば
「何をすればいいのか」と
考えています。

周りの人たちも
自分の仕事は終わって
次にやることが分からない時、
ボーっと時間を潰していたり
他の人とおしゃべりしたりして
【役割が与えられるのを待つ】
という選択をしています。

当事者の人にすれば
・効率が悪い
・居心地が悪い
・落ち着かない
なんて感じるかもしれません。

そういうときのために
普段から
【やることリスト】
作成しておきましょう。

私もそうなのですが、
”暇な時間が苦手”という
タイプの人が結構います。
だから
仕事でもプライベートでも
時間が空いたらこれをやる、
というものを
決めておいてはいかがでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2021年02月02日

ADHDの多動性の部分

ADHD特性の最後は
多動性についてです。

「多動」といえば
クラスの中を走り回る子どもや
落ち着きなくガタガタと
音をたてたりする子どもなどを
想像するかもしれませんが
実は
【おとなしい多動タイプ】
いることをご存じですか?

多動の子どもは元気だとか
ちょっと攻撃的な印象を
持たれやすいのだと思いますが
それに限ったことではないのです。

例えば、
じっと座っていられない
→走り回る、暴れる
といったイメージを持ちやすいですが
きちんと座っていても
・体がグネグネ動く
・同じ態勢を保てない
といったものも多動の一つ、と
考えて良いかと思います。

大人になると、
【人前では
  落ち着いていられる】
だけど
【家だけで多動になる】
といった人たちもいますし
【ストレスがかかると
      多動になる】
という人もいます。

電話対応の時だけ
ウロウロと歩き回ったり
カタカタ音をたてたり、
テレビのチャンネルを
片っ端から変え続けたり
落ち着きのなさについても
人それぞれです。

つまり多動とは、
走り回ることだけではないのです。

一つ、注意点があるのですが
体をゆらゆらと動かすと
安心するという人がいます。
これは「多動」によるものではなく
【脳を覚醒させている】
という可能性があります。
*****当事者の方へ*****
あまりにも
生活に影響のある場合には
やはり病院の受診が必要ですが
何かを始める前に
【体を動かすことで
   脳を覚醒させると】
少し落ち着くようです。

・自転車に乗って出かける
・仕事前にジョギング
・ラジオ体操

これによって
体全体の動きが活発になり
血液の巡りも良くなり
脳も元気になると思います。
*****まとめ*****
3回に分けて
ADHD特性のことを
書いてきました。

何度も言いますが
「個人差」がありますし
どの程度、
生活への支障があるのかは
人それぞれです。

ですから、
悩み相談をするだけで
改善する場合もありますし
病院に行って
薬を処方してもらわないと
どうにもならない人もいます。

いずれにしても
【自分一人で抱え込まないで】
相談できる誰かを頼って
工夫することが大切です。

小さい頃から叱られ続けて
大人になった今、
色んな弊害が
出ているかもしれませんが
【支援の手は必ずあります】

それを忘れないでください。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害