2021年02月27日

関係性を区別する

この相談に関しては
アスペルガー傾向の人から
よく話してもらう内容です。

例えば、
上司・部下・友人・家族など
私たちには色んなコミュニティ内で
色んな関係性を持っているのですが
当事者たちは
【態度や言動を区別する】
ということが理解できていなくて
困っている場合があるようです。

これについて、
よく言えば【みんな平等】
悪く言えば【感じが悪い】
みたいなイメージです。

前回投稿の会話例を見ながら
これを読んでいただきたいのですが
「君は賢い人だね」と
友達に言われた場合と
上司に言われた場合で
私たちは答え方を変えます。

友達に対しては
「うん、知ってるよ〜へへへ」
みたいな感じの冗談を。
上司に対しては
「嬉しいです。ありがとうございます。」
この使い分けレパートリーの多さが
【コミュニケーション能力】ですね。

ところで、
誤解してほしくないのですが
【アスペルガーだから
   コミュ障、ではない】
という点についてです。
その特性が
直接結びついているのではなく
ネガティブな体験などが原因で
思春期などのタイミングで
【コミュニケーションを
    諦めてしまったから】
苦手になった、と考えてくださいね。

つまり、
これから誰かと出会って
練習を積み重ねれば
【改善は期待できる】と思います。
少なくとも私の臨床例では
実現できてきたことですよ。
*****当事者の方へ*****
アスペルガー傾向の人では
【記憶する能力が高く】
お勉強的に覚えられることが
多いのではないかと思います。

【経験することは記憶すること】
このように考えることで
今後の経験は
自分のスキルとして積み上げられます。

ですから、
人との関係性を区別することも
覚えることさえできれば
対応のやり方も変えられます。

「君は賢い人だね」の会話で
相手が友達だとしても
【どのくらい
   仲の良い友達か】
回答が変わります。

あいまいさの苦手な当事者にとって
完璧な線引きのない関係性は
とても難しいものですよね。
だから、区別せず平等に…と
実行した結果
・人と深く付き合えない
・相談相手がいない
・人の気持ちが分からない
という状況に陥っていることも
あるのかもしれません。

ここはぜひ、
トライ&エラーで、
エラーした時には素直に
【すみませんと言える】
その態度から形成してみると
良いのではないでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:13 | TrackBack(0) | 発達障害

2021年02月23日

「へりくだる」が分からない

前回の「言い方」に引き続き
その中でも
発達障害傾向を持つ人や
コミュニケーション経験の
不足している人などによくある
「へりくだるって何ですか?」
について、書いてみたいと思います。

ネット上で調べてみると
どんどん別の言葉が出てきて
果てしなくグルグルしてしまいました(笑)

人間関係において
日本人特有の文化でもありますが
”へりくだる”姿勢は
重要だと思われます。
それは別に強制ではなくて
【本心から】そうできるのが
望ましいことなのですが
まぁ…言い換えれば
心からそう思う人が
少なくなっているのでしょうね。

だから、
へりくだることの意味を
知らないし興味ないから
考えない人が増えたと思います。

へりくだる、というのは
【行動や言動を控えめにする】
【遠慮深く慎ましく】
みたいな感じですかね。
ネット上でグルグルしていたのは
「遠慮が分からない」という人にも
会ったことがあるし
「慎ましさって何ですか?」と
聞く人も出てくるだろうな、
なんて考えていたからです(;^_^A

そもそも、
この言葉が分からない人たちは
日頃から遠慮はないだろうし
人にペースを合わせるでもなく
自分の好きなように過ごして
ある意味幸せだと思います。

ただ、
【自分以外の人との関りでは】
不可欠なことですから
そこでギクシャクしてしまえば
より一層
他人とのコミュニケーションを
避けるようになるかもしれません。
*****具体的な例*****
先の会話に対する回答を
次の答え方にしてみてください。
そうすると雰囲気が変わります。

A「あなたは賢いですね」
B「はい。よく言われます」
→「ありがとうございます」

A「美人ですね」
B「はい。知っています」
→「そう思っていただけて嬉しいです」

肯定的だけど、自信家には見えず
また相手の言葉を否定もしていない
一番中間にあたる答え方です。

ただし、→以降の答え方については
【謙遜しすぎると皮肉になるので】
それも注意が必要ですね。

学年1位の成績を取ったのに
「自分はバカだから…」などと
言い続けてしまうと、
周りの人たちはみんな
自分をバカにしていると勘違いします。
つまり、”ほどほどの謙遜”
いかないとダメなのですねぇ。
難しいですよね。。。

それで、上記の会話例ですが
「そのまま使っていても
   嫌われない人がいる」と
感じたかもしれません。
その場合にポイントとなるのは
【相手との関係性が違うから】
上手くやれる人もいるのです。

人との距離感が分からない人は
「相手との関係性を
    使い分けられない」と
悩んでいる場合があります。
これについては
次回で取り上げようと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 11:47 | TrackBack(0) | 自己改革

2021年02月20日

言い方の問題

前回、私が
「言っている内容よりも
   言い方に引っかかる」と
記事の中で書きました。
それを読んで、
「なんで?
 内容を伝えることの方が
 重要じゃないの?」と
思った方もいるでしょう。

そこで、もう少し具体的に
”雰囲気を壊さない伝え方”
について書いてみようと思います。
この目的は、
相手に好かれたいとか仲良くしたい
などの感情を伴わない場面でも
【自分の評価を
   落としたくない人】
ぜひ参考にしてみてください。

=朝の家事にて=
私「洗濯物干してきた、
   すっごい寒かった〜」
息子「今、何度くらいなのかな?」
私「テレビでは7℃って言ってた」
息子「そんなに気温低くないよね」
私「はぁ?
  人が洗濯物一生懸命やったのに
  感じ悪くない?」

★解説★
息子は、平年に比べてとか
特別寒い日に比べて、と
言いたかっただけなのですが
私が寒い思いをしてきた直後に
その発言をしてしまった
その【タイミング】を間違えました。

この時点では
平年より暖かくても
「寒い中、ありがとね〜」などの
【ねぎらい】がまずは大切です。
その上で、
ただ寒くないというのではなく
”いつもよりも”などの
【細かな言葉を加えれば】
誤解されることがなくなります。

私の体験談を書きました(;^_^A
こういった言い方に関する苛立ちは
【言葉の少なさ、余計な一言】
起こりやすいと考えられます。

もう一つ、例えると…
お客さんが料金を支払ってくれた時
「〇〇さん、もう一枚欲しいなw」と
私が言ったことがあります。
もし、あの時
「料金が不足しています。
 サービスを受ける気がないのですか?」
「割引はしていませんよ」などと
私がお客さんに言っていたら
かなりの確率で怒らせたでしょうね。

コンビニ店員などでも
「あと1000円」だけしか言わない人や
あごを上に反らしながら
「不足」などと言っている態度では
そのお店の評判は落ちますよね。
*****客観的に見る*****
発達障害傾向を持つ人たちは
【自分を客観的に見る】
というのが苦手なことが多いです。

そのため、
【悪意なく、態度が悪い】
【事実だから、暴言を吐く】
ということを繰り返して
人間関係が上手くいかない、と、
悩んでいることもあります。

言い方の問題については
人それぞれの価値観がありますから
どれが正解、とは言えませんが
【心の中で使う言葉を
    そのまま発すると】
どちらかというと
良くないことが起きる方が
多いのではないでしょうか。

ですから、
心の中で思ったことは
【変換して印象を変えて】
話すことが大切なのです。

また、
客観的に自分を見つめるなら
前にもお伝えしましたが
動画で自分を撮るのが
一番手っ取り早いです。
それと同時に、
【他の人と比較してみて】
どこがどう違っているかを
知る努力はできると思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 13:01 | TrackBack(0) | 発達障害