2021年01月30日

ADHDの注意性の部分

前回は、
ADHDの衝動性について
お伝えしましたが、
せっかくなので引き続き
注意性と多動性についても
取り上げたいと思います。

今回は、注意性についてです。

注意性で有名なのが
「片づけられない人」
「ゴミ屋敷」
「忘れ物が多い」などです。

小学生くらいから
私たちは身の回りのことを
自分でやるようになりますが、
クラスに1〜2人くらい
よく忘れ物をしたり
汚い上履きを履いていたり
ちょっと他の子どもたちと
違う感じのする生徒は
いませんでしたか?

本人に悪気はないのですが
面倒くさいとか
忘れっぽさがあるために
歯磨きをしなかったり
宿題ができなかったりして
色んな人に怒られる日々を
送っています。

大人になると
少しは日常生活のことを
習得することができるので
小さい頃ほどまでは
目立たなくなっているのですが
(消失する部分がある、
      ということで)
やはり行動面、言動面で
日常生活に支障が出るようなものが
残って困っている場合があります。

例えば、
・人の話を聞いていると
   頭がボーっとしてくる
・いつも頭がモヤモヤしている
・興味を示す対象が少ない
このような症状については
他の脳機能障害も考えられますが
ADHDタイプの人からも
よく聞く症状です。

こういったことが原因で
「人の話を聞いていない」などと
上司に叱られたり
説明を理解することができず
仕事でミスをしたりして
相談に至ることがあります。
*****当事者の方へ*****
趣味や楽しめることが
全然ない人の場合には
常に頭がボーっとしていて
「気力がない」感じに
見えることもあります。

それも含めて
病院を受診することを
お勧めします。
脳機能そのものについては
医療の領域になります。

ただ、
日常的なトレーニングとしては
【周りからの支援をお願いして】
みんなで取り組むことで
上手くいくことが増えます。

例えば、
【指示はメモで箇条書き】
【話は短めに】
【タイマーで行動管理】
こういったことを
みんなに協力してもらい
(もちろん自分でも)
仕事のミスを減らす工夫を
考えてみると良いでしょう。

【医療とトレーニングを
         並行して】
日常生活の改善を
目指すと良いと思います。
次回の「多動性」でも触れますが
運動が苦手だとしても
自分なりに体を動かすことで
頭がすっきりすると思いますし、
最後は食事についても
触れようと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2021年01月28日

ADHDの衝動的な部分

ADHDの人たちは
・多動性
・注意性
・衝動性
という3つの問題を抱えています。

全てが当てはまる人もいるし
一部だけが
当てはまる人もいます。

どの特性も
【幼少期から表れやすいので】
周りの人たちが見ても
「ちょっと他の子と違うな…」
というのが分かりやすいです。

例えば、
落ち着きがない、走り回る
みんなと同じ行動ができない
攻撃的で我慢ができない
といったことがそうですし、
(多動性・衝動性)
忘れ物が多い、ミスが多い
だけでなく
【ボーっとしている】
という子どももいます。

今回はそのADHDの
衝動的な部分についての
解説をしたいと思います。
*****
ADHDの程度の差もありますが
彼らが衝動的な行動を起こすとき
(例えば、
 赤信号を飛び出してしまう
 人のものを奪ってしまうなど)
「なぜ、止められないの?」
というのが周りの疑問でしょう。

これについて、
当事者の気持ちを聞いてみると
2つのタイプに分かれることが
私の持つ事例にありました。

【分かっているけれど、
     止められない】
というタイプの人と
【何がいけないのか、
      分からない】
というタイプの人でした。

●分かっている場合
 頭では「〜してはいけない」
 といったルールを理解していて
 これからそのルールを
 破ろうとしているところまで
 理解できているケースです。

 「それでも止まらない」
 つまり、
 脳をコントロールできない、
 暴走している状態、
 のような感じです。

 当たり前のことですが
 いけないことと分かっているので
 そのあとには
 【周りの想像を超えて
      落ち込みます】

 ですが、
 その気持ちが
 長続きしない人もいるので
 【数分後にはケロッとしていて】
 反省しない人だと
 周りは非難しがちです。

●分かっていない場合
 まさに「衝動的」で
 【先の予測がまったくできず】
 目先の思ったまま、感じたままに
 行動を起こしてしまうケースです。

 その「クセ」が身に付いているので
 【毎回、反省することができず】
 【何が問題点か理解できないので】
 同じ失敗を繰り返しますが
 「なぜ周りが
   怒っているかも理解できないので」
 単純な気持ちとして
 「自分のことが嫌いなのだろう」
 などと短絡的な結論に結びつけ、
 【反発心が強くなります】

 叱られた時点で理解できて
 一時的に反省できる人もいますが
 【数分後には忘れてしまうので】
 やはり同じ失敗を繰り返します。
*****当事者の方へ*****
私は、
当事者からの相談を
たくさん受けてきて思うのですが
ADHDの衝動的な面については
投薬以外という意味で
【24時間密着で
  トレーナーを付けることが】
大切なのだと思います。

例えば、
当事者が衝動的になる場面を
トレーナーが素早く察知して
【その場で制止させる行動を取る】
といったことがなければ
【当事者が気づくことができない】
可能性があります。

ですが、
興味のないことは嫌だ
我慢はしたくない
飽きっぽくて長続きしない
という場合には
トレーニングは通用しません。

また、
「努力して改善しよう!」と
決心できたとしても
なかなかうまくいかないことで
やる気がなくなってしまったり
【その感情でさえ一時的で】
すぐに飽きたり忘れたりします。

こういったことから考えると
日常生活に支障来すほど
悩んでいる人の場合には
病院を受診するのが
良いのではないかと思います。

この頃は、
私も聞いたことのない薬で
良いものが出ているようです。
(あくまでも聞いた話です)

ADHD特性にも
個人差がありますから
得意と苦手が他の人と違い
どのくらい困っているかも
他の人と違っているものです。

ですから、
最終的にどうにもならなければ
薬を頼るのも
選択肢の一つなのではないでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2021年01月26日

頭の中の考えを整理する

前回は、
推論の仕方について書きました。
引き続き、それの具体例と
周りを説得するために
大切なことについて
アドバイスを書いてみますね。

・よく判断を見誤る
・人を説得するのが苦手
・思った通りにならない

こういったことがある人や
発達障害の傾向を持つ人たちには
参考になると思います。

前回の内容を思い出しながら
読んでみてください。

=ASDタイプ=
思い込みの激しさ、頑固さ、
こだわりの強い人や、
人との関わりが少ない人は
帰納的推論の元となる情報が
【限定されてしまう可能性】
演繹的推論の元となる情報が
【大半に当てはまらない可能性】
などが挙げられます。

例えば、
当事者が「この人は嫌いだ」と
思っている相手の言葉は、
参考になりそうなことでさえ
自動的に情報から削除されて
自分の好きな人の言葉だけ
参考にしてしまうと
情報に偏りが出ますし、
誰の情報にも頼らずに
ネットや本と自分の脳内だけで
情報を集めて考えれば
偏った結論になりやすいです。

=ADHDタイプ=
衝動的、すぐ忘れてしまう、
集中力が乏しい人などは
考えが色々と浮かぶものの
あっちこっちに移ってしまい
【考えていたことを忘れ】
全然違うテーマに変わったり
【先の予測ができず
     短絡的な結論】
なってしまうなどが挙げられます。
*****当事者の方へ*****
結論を出すときは
・時間をかけて吟味する
・必ず誰かに相談する
・無難な結論を選ばない
この3つを心がけてみてください。

その場のノリで結論を出さない。

結論の出し方が突飛でないか
その後のことまで考えても
大丈夫そうかどうかなど
なるべく誰かに相談する。

事を荒立てないためとか
誰かの機嫌を損ねないためなど
自分が責められないための
結論を出すのではなく
これが妥当、と
みんなが思えるような結論を
導き出せるよう心がけるのです。

もともと(小さい頃)から
言葉の発達が遅くて
きちんと話せなかった人には
難しいことかもしれませんが
私の知るグレーな人たちは
定型発達の人たちよりも
言語の発達が特にすごくて
能力が高いと思います。

ただ、成長する中で
不安や恐怖が増えてしまって
大人になって
話すことにためらいがあり
今、きちんと話せる
自信がないのかもしれません。

それでも
【話す練習を止めないことで】
今以上に、これから先は
もっと話せるようになります。

”人と話すことの大切さ”には
自分の結論を見誤らないことが
含まれているのだと知ってください。

私もこうやって文章を書いていて
上手く言えてないなぁ…と
思うことばかりなのですが
とにかく一生懸命伝える、
この積み重ねを続けたいです。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害