2020年11月08日

1日24時間の使い道

発達障害傾向を持つ人たちに
相談内でよく言われるのが
「どうして他の人たちは
   簡単に何でもできるのか?」
ということです。

それを聞きながら
私はいつも同じことを思うのですが
「いや別に、最初から
  簡単にできたわけではないよ」
「それなりに努力したつもりだけど」
といったことを返してみます(;^_^A

当事者たちの目に映る私たちは
何でも簡単にこなせて器用で
世渡りも上手なのでしょうね。

そこで、別の視点から
考えてみることにしました。
それが「24時間の使い方」です。

1日は24時間あって、
それは誰もが平等に与えられた時間です。
器用さ、不器用さに個人差があっても
時間の差はありません。

総合で表現すると、
幼少時代から長年
【時間を何に使ってきたかの違い】
大人になった今のスキルに
繋がっているわけです。

例えば、
小さい頃の遊びで考えると
男の子はサッカーや野球、
女の子は人形遊びやおままごと、と
好きなことが違いますよね。
その遊びをくり返していくうちに
男の子は運動能力が上がり
女の子は人の気持ちを知る。
こんな風な違いが出てきます。

そんな中に同級生の
ある1人の女子がいたとします。
(ここではAちゃんと呼びます)

Aちゃんは、この3つが好きです。
・1人で過ごすこと
・物語を読むこと
・空想にふけること

Aちゃんは友達と遊ばないし
ごっこ遊びなどで
コミュニケーションの練習をせず、
頭の中は
【本に教えられた非現実の世界】
いっぱいになるかもしれません。

そんなAちゃんが
本の世界と現実を比較したとき
現実の世界は複雑で難しく、
本の世界は分かりやすく幸せだから
もしかすると
より一層本にのめり込むかもしれません。

そうこうしている間に
子供たちは思春期を迎え
【人との違いに敏感になります】
その頃からみんなは
友達同士の微妙な関係の中で
”人に合わせる”ことを覚えますが
空想の世界にいるAちゃんはそのまま
大人になっていくかもしれませんよね。

Aちゃんがそれを望むなら
誰も咎める必要はないですし
人には自由がありますから
それが許されているケースもあります。

ただ、
【将来的に問題が
  生じる可能性が高まる】だけで
問題が生じたときに
【責任を負える
   大人になっていられるか】
心配ではあります。
*****当事者の方へ*****
本は、勉強になります。
だから止める必要はありません。

当事者の人たちがよく誤解するのが
何か新しいスキルを
覚えなくてはいけないとき
【自分の持っているスキル、
   好きなことや大切なことを
      捨てなくてはいけない】
ということです。

なぜ、そんな思考になるのか
私には分かりませんが
人生をデータで例えたとき
【フォーマットはできません】
せっかく覚えたスキルを
なぜ捨てる必要があるのでしょうか?

そこは視点を変えるということで
周りの人たちが
小さい頃から積み上げてきたスキルを
当事者たちは大人になってから
学習することになるので
【データの上書きのつもりで】
色んなことに取り組んでほしいです。

1日24時間の使い方は人それぞれ。
勉強、趣味、遊び、修行などなど
何に使うかはみんな違います。

ちょっと長くなりそうなので
続は次回にします。。。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月05日

家族とどうかかわるのか

前回は、
特別な存在だからといって
家族に暴力を振るったり
脅したりしてはいけない、といった
内容の記事でしたね。

今回は、当事者がどう考えているのか、
また、家族に問題がある場合には?
というケースを考えてみたいと思います。

発達障害というワードが出てきますが
特性があるから暴力を振るう、
というわけではありません。
そこは誤解のないようにお願いします。

まず、
前回の記事内容のような
DVっぽい態度をとる当事者についてです。

彼らは
【問題解決よりも、
   責任の所在の方が大事】な感じの
態度をとることが多いです。

だから、何かを解決したくて
話し合いをしようと思っても
「〜のせいで」といった感じに
【誰かや何かが自分をそうさせた】
という言い方をします。

そして
【だからどうすればいいのか】
ということについては
なかなか話してくれません。

これを何年も、何十年もくり返して
話し合い自体が全く進んでいない
家族もいるのではないでしょうか。

こういったケースの場合で
本当に暴力などが酷い場合には
【家族解散や、
  物理的に離れることを
       考えてください】
例え発達障害だから、
本人も苦しいからと言っても
テレビで見るような事件になるまで
手を打たないでいるのは危険すぎます。
************************************
家族解散という言葉を使うと
とても悲しい結果になってしまいますし
【家族は絶対に離れてはいけない】
といった考え方を持っている場合、
解散など論外のことでしょう。

ですが、一般的な家族であっても
就職や結婚などで
少しずつ家の中の人数は減り、
将来的には配偶者のどちらかが
先にお別れしてしまう流れですから
【その時期がいつ来るのか】
違いとも考えられます。

そして、みんなが納得して
各々の間に距離が作れたら
【以前よりも
  仲良くできる可能性】
出てくるかもしれません。

物理的にも精神的にも
お互いが距離を取ることによって
【甘えという名の暴力は減り】
相手を思いやったり親切にしたり
良いことができているケースは
現実にあります。

当事者が持っている
価値観を変化させるのは
かなり難しいことではありますが
【家族の在り方は
    一つだけではない】
ということは
知っておいてほしいことです。

そこに法律のような
ルールはありません。
もしそういった観点で考えるなら
【基本的人権の尊重】です。

一緒にいることで
家族の誰かの人権が侵害され
それを当たり前だと
誰かが思い込んでいる。

だから、
家族でなるべく長く
一緒に過ごしたいと願うのなら
【家族全員を尊重して】
独裁政権のような家庭ではなく
【平等な関係】が大切なのです。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月03日

身内という存在

私たち人間は、多くの場合
生まれてきたら初めての組織として
「家族」を経験します。
そして成長とともに
関わる範囲が広がっていきますね。

その関わる範囲という中には
物理的な距離や頻度だけではなくて
【精神的な関わり】も含まれていて
大人になると、
家族以外の人たちの方が
深く付き合えたりします。

ところが、
発達障害の特性を持つ人たちで
特にアスペルガータイプの人は
小さい頃から閉鎖的で
【家族以外の広がりを持てない】
というケースが多いです。

だから、事例にもありますが
【結婚したのに、
  嫁子供ではなく親兄弟が最優先】
なんてことが起きています。

また、当事者から聞くのは
【家族以外は
   親しさのレベルが同じ】
という考え方です。
これは、家族だけが特別で
それ以外で関わる人がいても
その仲の良さに違いがない、
ということです。

このようなことから、
【家族は特別だ】ということが
よく分かりますよね。

ただ、残念なことがあって
その特別な家族に対しては
【特別な態度をとってしまって】
それが機能不全に
つながっていることが多いのです。
*****当事者の方へ*****
家族にだけ気を許せる、
という当事者の方にとって
家族はかけがえのない人たちです。
そんな特別な相手に対して
【やっていいことと悪いこと】
区別をしっかりつけてください。

家族は
・暴力の対象ではありません
・自分の手足ではありません
・八つ当たりのための
   サンドバッグではありません

だから、
自分がイライラしているから、
苦手なことが多いからと言って
家族を責め立てたり脅したり
責任を押し付けてはいけません。

抱えている問題が
【誰が解決すべき課題なのか】
しっかりと考えることと
【冷静に話し合うこと】
大切にしてください。

なぜなら、
たとえ家族であっても
【同じ考えを
  持っているとは限らないから】です。
血縁上、戸籍上のつながりがあっても
それぞれに思いや考えを持っていて
それが違うのは当たり前のことです。

【親しき仲にも礼儀あり】という
言葉を改めて考えてみて
【家族だからこそ、思いやって】
仲良く努めてください。

当事者は、
自分にとって不都合が生じたとき
【大切な人でさえ敵だと認識し】
一方的に攻撃することがあります。

その言い分は、
正論だと思うかもしれませんが
自分にとっての正論なだけで
【相手には理解できていない】
考えてみてください。
訳の分からないことで
責められたら誰もが困惑するでしょう。

こういったことが起きたときには
冷静になれるまで時間を置いて
話し合いをするようにしてくださいね。
そうでないと
【大切な人を失うことに】なります。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害