2020年11月21日

後付けの言い分

前回の記事では、
アスペルガータイプの人たちの
言葉足らずなところや
言葉選びを間違うことについて
会話例を使いました。

その続きについてですが、
当事者たちも
自分の失言に気づくことがありますし
時間をかけて考えることで
理解できることがあります。
お客様の中には、数ヶ月かかったので
今更謝れない…なんて人もいました(;^_^A

その逆に、失言だとも思わないし
それについての釈明も見つからない。
まったく理解できないこともあります。

さて、失言によって
恋人同士に不穏な空気が漂った時
もしも失言について
きちんと理解できなかった場合、
彼らは色々と考えます。

その時、なぜ自分が
そのような発言をしたのか?
その意図は何か?というより
【どう言えば、
   この場を乗り切れるか】
を最重要事項とすることが多いです。

だから、
その言い分を聞いていると
「あ、はぐらかしたな」
「後から考えた言い訳だな」
「見え透いた嘘だな」などと
感じてしまうことが多いのです。
*****当事者の方へ*****
周りの人が、
特性やパーソナリティについて
理解を示してくれている場合には
「分からない」という回答も
選択肢の一つとしましょう。

どうして
おかしな発言をしてしまうのか?
なぜわざわざ
ネガティブな言葉を選ぶのか?

そのような考えが出てくる人は
【四六時中
  悪いことを考えている
       不安障害体質】
だとは思います。

人間は
【思っていることが
  うっかり口から出てしまうので】
言っていることは嘘ではないでしょうが
【本音とは違うこともあり】
そのあたりの気持ちを正確に伝える
努力をすれば良いかもしれません。

そもそも、
自分の気持ちがよく分からない
当事者の方々ですから
その点も誰かと一緒に
分析してもらうことをお勧めします。

また、何か理由を考える時
文章の組み立てが苦手でしょうから
【主語を間違わないように】
気をつけてください。

例えば、当事者でよくあるのが
【自分の気持ちを考えるのに
    他人を主語にしがちです】
自分の気持ちを語る場合、
絶対に主語は「僕は、私は、」です。

「分からない」「言葉が見つからない」
「どう言えばいいのだろうか」などなど
具体的な理由が見つからなくても
答えられる言葉はあると思いますから
その場しのぎの理由づけをして
【自分が逃げ切れることばかり】
考えるのではなく
傷つけてしまった相手の立場なども
一緒に考えられると良いですね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月19日

当事者の心の中

アスペルガー傾向の人たちは
【平気で人を傷つける】
言われています。

その特性に気づいて
自身で改善の取り組みをしたり
「外では言ってはいけないんだ」と
長年の積み重ねで覚えたりして
余計なことを言わない場合もありますが
なぜか
【家の中では暴言ばかりで】
それがいけないことだと認識できず
家族を苦しめることが多いです。
(相談事例より)

それで、
社会人として外で働いていて
自分では上手くやれていると
思っている当事者だとしても
周りが指摘していないだけで
【失言は多い】ことも分かっています。

なぜ、周りを怒らせてしまうのか?
なぜ、人が離れていってしまうのか?
自分の何が悪いのか?
存在自体が要らないものなのか?
などなど、
当事者は口には出さなくても
”違和感”に悩まされていることでしょう。

今回は、
【文章の組み立てが苦手】
【相手の気持ちが分からない】という
当事者による発言と
それを聞く周りの人の感覚の違いを
文章にしてみようと思いました。

当事者を男性アスペルガー、
相手は恋人の女性とします。

発言を「」で書きますが、
()は”頭の中の声”として
読んでみてくださいね。
*****会話例*****
●ある日、デートをすることになり
 彼女は張り切って新調した
 お気に入りのワンピースを着ました。

当事者「その服すごい(似合ってる)ね」
彼女「え?(変なのかな?)」
当事者「そういうのを(素敵な服を)
    着ている人はあまりいないよね」
彼女「それって私が変だってこと?」
当事者「いや、そうじゃなくて
        (かわいいのに)」
彼女「じゃぁ何だって言うの?」
当事者「……(なんで怒ったの?怖い)」

●テレビで専門家が
 何かの病気について話していました。
 それについて、お互いにどう思うかを
 話していた時のことです。

彼女「でも、あれって薬で
     治るって言われてるよね」
当事者「だけど専門家は違うって言ってるね」
彼女「どっちが本当なんだろうね」
当事者「(専門家と比べて)
      君は頭が良くないから
       (その知識に詳しくないから)
          専門家が正しいはずだよ」

これ以外にも色々なことがありますが
多くの場合、当事者の
・言葉の選び方の間違い
・てにおは、主語などの間違い
・言葉足らず、事前情報の不足
こういったことで
関係が悪くなっていると思われます。

そして、なぜ当事者が
詳しく説明(釈明)しないかというと
ある程度早い段階で、
「ほらね、どうせこうやって
      うまくいかないんだ」などと
卑屈になってしまいやすいからです。

アスペルガーの特性だけでなく、
それが原因で嫌な経験が増えて
その間に形成されたパーソナリティなども
関連している状態です。
*****うまく付き合うためには*****
本来はもめ事の嫌いな当事者たちです。
それでも、
言葉遣いによって人を怒らせ、
卑屈な態度に出てさらに怒らせ
孤立しやすくなっていますから

基本的には
【二者関係を大切にし】
【変な言葉はまともに取り合わず】
【適当に無視するくらいで】
関わることが良いかもしれません。

二者関係というのは、あなたと私。
つまり、当事者と誰か一人だけです。
おかしなことを言っても
いちいち腹を立てるのではなく
「また変なこと言ってるわ」くらいに
適当に聞き流し、
場合によっては聞かなかったことにして
良い意味で無視をするイメージです。

真面目な人ほど
まともに取り合って必死になって
「自分がおかしいのかしら?」と
なりがちなので、
そうすると心の健康が損なわれますから
ある程度の適当さを持って
関わるのが良いかもしれませんね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月17日

競争社会で生きる人たち

人間の中には、
やたらと競争したがったり
人と比べたがったりする
タイプの人がいますよね。

そういう人たちは
【勝つことにこだわり】
誰かの上に立つことによって
優越感、自己有能感などをもって
自身を保っていると思います。

例えば、で、
今回はスポーツを取り上げます。

スポーツは勝負の世界です。
勝つという結果が重要です。
もしその世界でずっと生きていたら
何に対しても勝つことが絶対で
【勝ったら偉い人】といった
間違った認識を持っている人も
中には存在しています。

勝った人が偉いのだという
価値観を持っている場合
・家庭内でも支配的
・場合によっては暴力を振るう
・何にでも優劣を付けたがる
・家族内でも比較をする
・弱い者を笑い、馬鹿にする
・思いどおりにしたがる
こういうことが起こりやすいです。

そうなってくると
”基本的人権の尊重”
どこへ行ってしまうのでしょうか?
*****当てはまる人へ*****
勝つことは素晴らしいことです。
その世界で生きている以上
勝ち負けにこだわることは大切です。

ですがそれは、あくまでも
その世界だけに限ることで
その考え方を
【プライベートに
   持ち込まないこと】
絶対です。

家に持ち帰って家族を支配したり
脅して言うことを聞かせて
”勝った気分になるのではなく”
それぞれの話に耳を傾け
【分かり合えること】
目指したほうが健康的です。

その世界でしか生きていないから
それ以外の取り柄がないから…と
そこにこだわるのではなく
【自分のダメな部分も受け入れて】
ありのままで接する方が
周りもつき合いやすくなります。

競争社会にばかり身を置くと
時には”認知の歪み”も生じるし
【周りを敵だと認識しやすく】
人間関係が悪化します。

成績で人を判断する、
その人の
【人間性が”劣”であることを】
知ってください。

「なんだか変だな…」と感じるなら
今一度、
自分の価値観の確認をしてみて下さい。

私たちは誰でも、
【目の前にいる人を
  支配してはいけないのです】

順位争いは、その世界で。
優劣争いは、その世界で。
勝敗争いは、その世界で。
決して”他へ持ち込まない”
これが鉄則ですよ。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己改革