2020年11月28日

自分に自信がなさすぎる人

カウンセリングを受けたがらない人、
病院に行きたがらない人は、
ただ相手を信用していないから…
というだけではありません。

今回は、相談事例から
もう一つの理由を想像してみます。

以前にもお伝えしたように
アスペルガー傾向がある人たちは
【自分のことを
  知られることに対して
       異常に不安がり】
誰が知ったとしても
特に問題のないようなことでさえ
話したがらないことがあります。

”自分のことなど
   誰も知りたがらないだろう”
”自分の話など
   つまらないと思うだろう”
といった自己肯定感の低さ、

”自分の評価が下がってしまう”
”何かに悪用されるのではないか”
といった猜疑心や被害妄想のため
もしかすると
人に相談することが怖いのかもしれません。

人との違いを感じて生きてきたため、
「自分の考えがすべて間違っている」と
思い込んでいる場合もあります。
そういう人は
【家族でさえ信用できず】
本当に心が孤独なのだと思います。

前回の記事で書いた
攻撃性の強いタイプの人も
今回のように過度に自信のない人も
【とても臆病で】
そんな自分を周りに知られないように
表面上装って生活しています。
*****当事者の方へ*****
人との深いかかわりを避け、
孤独に生きることが幸せだと
心から願っている人間はいません。

「自分はそうだ」と思う人は
脳機能がほかの人と違っていたり
【そう思い込むことで
    自分を守っている】のです。

長年積み重ねたつらい経験や
認知の歪みは
自分自身までも誤解させます。

困ったときには助け合うのが
人間本来の姿です。
なぜなら、
私たちは野生動物のように
誰の手も借りずに一人で生きることが
できない生き物だからです。

カウンセリングでは、
【無条件の肯定】が絶対ですし
精神科や心療内科ももちろん
【守秘義務】があります。
これは”法律”です。

だから、
少なくとも誰かに秘密を洩らされたり
話した内容を小ばかにして笑われたり
評価が下がったりすることなどは
考えられないのですよ。

自分の問題と向き合いたい
何か改善を望んでいる場合に
専門家を頼って便利なのは
お金で解決できることです。
【お金が発生するところには、
      法律も発生するので】
割り切った関係で相談するのも
良いのではないでしょうか。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月26日

医者は信用しない

前回は、病院を受診する
基準について書きましたが
たぶん、それを考える人というのは
【当事者であることが多く】
当事者家族からの相談では
また違った内容を聞くことが多いです。

例えば、
家族内に発達特性を持っている人がいて
その本人は、
誰かに迷惑をかけているとは
全く思っておらず
むしろ自分のことを優秀で
周りの人間たちは称賛するべきだと
本気で思っているケースです。

【自分は能力の高い
   特別な人間なのだから】
自分の言うことを聞くのは
当然のことだろう。
などと発言することがあり、
ここまで酷くなくても
発言を聞き続けていると
似たようなことが出てくるタイプで
家族は接し方が分からなくなります。

このタイプの人に
病院の受診を勧めるのは
結構難しいことです。
*****当事者の心の中*****
これはパーソナリティの問題で
そのような考え方や生き方によって
自分の心を支えるしかなかった
と、考えられます。

理由は色々ですが、2つ挙げてみます。

1つは
親や学校の先生、近所の大人、
もしかすると友人などから
当事者が不当な扱いを受けたことで

【自分の心を守るために】
弱虫な自分を見せるのではなく
逆に偉そうな態度を作り上げ、
そうすると
周りが言うことを聞くようになったり
機嫌を取るようになったことが
当事者にとって都合がよかった、
という経験の積み重ねです。

もう1つは
【親の価値観を受け継いだ】
という考え方です。
子供にとって
初めての組織のトップである父親が
官僚やエリートであった場合、
またその父親が
”人の上に立つことこそ
   人間の価値を上げる”などと
偏った教育をしている場合、
特に男の子は父親の影響を受けやすく
外でそのように振る舞い始めます。

その人たちが大人になると
【自分の価値観を
  絶対だと思っている人なので】
自分以外の誰かの言うことは
信用できなくなってしまいます。

さらに言えば
【自分よりも
   偉い人の言うこと以外は】
価値がないものだと思いがちで
そういったタイプの場合は
「医者は信用できない」などと
発言しがちなのです。
*****最後に*****
高齢者の認知症検査なども
似たような相談があるのですが
家族が本人に
病院を受診させたいのだけど
本人が拒絶し続けるため
【治療が遅れてしまい】
病状が悪化するケースも
少なくありません。

今回のケースについても
発達特性が悪化するというより
【社会との関係性が悪化する】
考えたとき
私個人的にも早めに受診して
自分と向き合うことを
大切にしてほしいと思うのですが、
いずれにしても
【本人が納得して受診しない限り】
繰り返しの通院は難しいですし
継続しての投薬も難しいのです。

このタイプの人たちは
カウンセラーすら信用しません。
それについては
次回に書きたいと思います。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年11月24日

通院した方がいいですか?

前回の記事で
発達障害の傾向が強い人たちは
「不安障害体質」と書きましたが
特性を持っている人たちは
幼少時代からの違和感などが理由で
(理解できないことが多すぎて)
やたら怖かったり不安だったりして
強迫性障害・不安障害・うつ病など
二次障害を発症することがよくあります。

また、パーソナリティ障害によって
周囲に迷惑をかけてしまうことも
多々起こっています。

それで、当事者が本気で悩んで
どうにかならないか…と考え、
「どのタイミングで
  病院を受診したらいいのだろうか?」
という相談を受けることがあります。

これについては、
以前のブログのおさらいですが
【生活に支障を来したとき】
考えておいてください。
また、発達障害の診断が下りるのは
【機能障害が起きているとき】だと
小児科医から聞きました。

機能障害を正確に説明するのが
私には難しいのですが
ここでは、例えば
【対人トラブル】などのことだと
考えておいてくださいね。

それで、
私たちは誰でも危険予測をします。
赤信号を渡ったら車にひかれるとか
地震が起きたら危ない、とか。。。
不安障害の人たちは
特定の何かが不安な場合もあれば
”あり得ないようなこと”を考えていたり
”自分で簡単に解決できること”さえ
不安として捉えていたりするので
日々の生活を送ることが
とても苦しくてつらいのです。

ここから、想像で書いてみます。
「右足がうまく前に出なかったら?」
「コーヒーをこぼしてしまったら?」
「変な声が出てしまったら?」
このあとに続く言葉は
”どうしよう…”です。

もし上記のような考えが浮かんでも
右足が出ないなら左足を出せばいい
こぼしたら拭けばいい
言い直せばいい、などという
簡単な解決策があるにもかかわらず
【”どうしよう”という言葉に
        囚われてしまって】
そこから抜け出せません。

発達障害の傾向を持つ人たちが
常に最悪の事態を想定して
【いざというとき動揺しないよう】
わざわざ不安を作り出すのですが、
結局は「どうしよう」で止まってしまい
【こだわりが取り払えず】
一人で苦しみの沼に沈んでいきます。

ですから、
精神医療の観点で考えれば
【正常な思考が
    できていない時点で】
病院を受診することをお勧めします。

精神疾患であっても精神障害であっても
思考が正常でなく安定しない人に
何かを施すことはできません。
メンタルのトレーニングや
認知行動療法などは
【投薬によって安定した精神状態で】
初めて効果が出るのです。
(中には、傾聴だけで
    改善するケースもあります)

それは、発達障害の人に処方される
薬でも同じ考え方です。
特に大人の場合には、
投薬の効果が出たときに
「発達障害が治った!」と誤解して
薬漬けの日々を送る人がいますが
それは単に、薬によって
【一時的に安定しているだけで
       根本解決ではない】のです。

その安定した状態で
新しいスキルを取得することが
大人であっても必要です。

もし、
病院に行くかどうか迷っているなら
それを自分で決めるのではなく、
思い切って病院に行って
【医者に判断を委ねるほうが】
早く安定すると思いますよ。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害