2020年10月13日

クライエント中心療法が通用しない

前回、短期記憶・作業記憶・
ワーキングメモリについて書きました。
今回もその続きを書きたいと思います。

さて、
発達障害の傾向を持つ人たちの中には
短期記憶の弱い人がいて、
その時間が5分どころではなくて
(当初、私はそう思っていました)
15〜30秒くらいだということが分かりました。

だから、程度が重くなればなるほど
【今、会話していることを忘れる】
ということが発生しやすいわけで
会話がかみ合わなくなる理由の
一つに挙げられるものになります。

それから、
クライエント中心療法については
覚えていますか?
簡単に言うと
相手の話を聞いて、
気持ちに寄り添う姿勢を持ち
話し手は、自分で話しながら
色んな気付きを得て心の回復を目指す
カウンセリングの技法の一つです。
これが、カウンセリングを行う上での
基本形式になります。

ここから、
発達障害当事者のカウンセリングについて
考えてみてください。
もし、クライエント中心療法だけを用いた
カウンセリングを行った場合
どんなことが考えられるでしょうか?

*****実際の臨床場面*****
クライエントが
自分の話していることを
どんどん忘れてしまうのだとしたら
カウンセリング終了後には
気分はスッキリしたけれど
【思い出すことができないから】
自分の中での
気付きを得にくいと思われます。

自分の気持ちを表現しづらいので
「どんな気持ちですか?」などと
カウンセラーに問われても
大半が”分かりません”になります。

「もし〜だったら?」と聞かれても
【想像力が弱いので】やはり
大半が”分かりません”になります。
もしくは「いい」「いやだ」の
二言程度でとどまってしまい、
それ以上のことを
【自らの力で考えることができません】

もっと大変なのは
【記憶が書き変わってしまうこと】です。
ぼんやりと記憶が残っているものを
自分の都合よく書き換えてしまうのです。

以上のことから、タイトルのとおり
発達障害傾向の人で
短期記憶(ワーキングメモリ)の弱い人には
クライエント中心療法が通用しない、と
考えられます。
*****当事者の方へ*****
実際の臨床場面では、
確かに忘れっぽいことはあるようですが
【人に話すことが習慣化されることで】
色々と覚えておけることも増えるようです。
(グレーな人たちの事例では)

特に、
【自ら変わりたいと
    本気で思った人たちは】
カウンセリングやトレーニングを
”興味の対象とし”
覚えておけることが増えていきます。
中には、次回のセッションまでに
自分で何か取り組んでみて
フィードバックできるように
準備する人たちもいます。

ここで必須となるアイテムは
やはり「ノート」です。
自分の伝えたいことや疑問など、
また、セッションで得た情報などを
常に書き込む習慣をつけます。
それによって、
【思い出したいときにノートを見る】
というクセを付けるのが良いと思います。

最後にまとめますと、
興味があったとしても短期記憶が弱いなら
覚えておける時間も量も少なくなりますから
必ずメモを用意して相談しましょう。

それから、
発達障害の特性について
相談しようと考えられているなら
【相談する相手の
    得意分野にも気をつけて】
相談の依頼をしてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害