2020年10月17日

手紙がどう役に立つのか?(2)

前回は、
自分の気持ちを表現するのが苦手な人が
その考えなどをアウトプットするまでの
段階を取り上げました。

そして、相手に届ける形の
”手紙”にすることと
自分の気持ちを言葉にすることは
同じことだと書きました。

発達障害傾向を持つ人で
言語の部分の知能が高い人たちは
”論文”などは得意ではありますが
それは、
【自分の外側に見えるもの】であって
当事者は自分から見えるものについては
語ることが上手な場合が多いです。

それに対して”手紙”は
【自分の内面にあたるもので】
自分から見る自分は難しく、
また、
劣等感が強いことなども含めて
なかなか言葉にできにくいのでしょう。

それでは、今回は
前回取り上げた順番の
1〜5についての解説に入ります。
*****当事者の方へ*****
1.片っ端から書き出す
手紙では用事がない限りは
【特にテーマが決まっていません】
そのため、何について書けばいいか
必ずと言っていいほど質問されます。

なのでまずは、”思いつくこと”です。
当事者たちは
【0から1を生み出すのが難しい】
言われることが多いので
例えば分かりやすいのは
・自分の近況について
・世間の情勢について
・相手の様子を伺う
こういったことになります。

さらに、自分のことであれば
・仕事や学校のこと
・習い事のこと
・家族のこと
など細分化して考えます。

また、手紙を書く相手との
【共通の話題】などは大切です。

ここでは”単語”程度にとどめておきます。

2.分類する
片っ端から思いつき、書き出した単語を
それぞれ分類別にしていきます。
1の段階では、
付箋を使っても良いかもしれませんね。
そうすると分類しやすくなると思います。

3.整理する
分類し終わると、それぞれのカテゴリで
分量が違う可能性があります。

手紙のイメージでは、
1の中で割合にしてみると
自分の近況が60%くらい
世間の情勢は10%くらいで
相手の様子を伺うのが30%、

これはあくまでも私の感覚なのですが。。。

4.組み合わせる
ある程度、言いたいことを分類して
その量も定まってきたら
ここから【どの順番に】書いていくか
決めていきます。

分かりやすさで気をつけたいのは
【時系列に沿って】くらいですかね。

まずは「挨拶文」としての言葉
次に世間の情勢を簡単に。
その次が自分についての話や
相手との共通の話になります。
最後に〆の言葉です。

基本の形式はネットにもあるので
探してみてください。

5.文章にする
結局は、ここが苦手!
という人たちばかりなのですよね(;^ω^)

ここで気をつけておきたいのが
【接続詞】です。
【接続詞がないと
   箇条書きになってしまうし】
同じ接続詞ばかり使うと
おかしな言葉遣いになってしまいます。
(ググると一覧が見れますよ)

最後に…
手紙を書く目的は、
・文章力を上げること
・自分の考えを知ること
・伝え方を考えること
この3つです。

だから
【誰かに出す必要はありません】
もちろん出しても良いのですが
できるなら相手に事前にお願いして
【フィードバックできると】
より良くなると思います。

念頭に置いてほしいことは
【簡単には上達しない】ことです。
前回お伝えした通り
私たちは何千回も書き続けて
そのスキルを伸ばしているのですから
”失敗を次の課題につなげて”
くり返すことが大切なのですよ。

うまく説明できなかったかもしれません。
細々としていてごめんなさい。
でも、もしも
【頭の中で
  文章を組み立てられないなら】
このやり方を試してみてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年10月15日

手紙がどう役に立つのか?(1)

ずっと前にも
”たまには手紙を書きましょう”
といったことをブログに書いたのですが
先日もたまたまその話になったので
今回は「手紙」について書きたいと思います。

発達障害の傾向を持っている人たちは
【自分の気持ちを表現しにくい】
ということは何度もお伝えしてきました。
その理由として、
・考え自体が分からない
・分かっているけど言葉にならない
・言葉が組み立てられない
などが挙げられます。

自分の考えていることが分からない、
分かっていてもボヤーッとしている。
絵とか色のイメージになる。
こんな感覚を持っている人は
結構多いのかなぁと思います。

思っていることが
上手く伝えられないことや
思っていることと
逆の意味で伝わってしまうことが
昔から続いているのだとしたら
それは本当に辛いことで悲しいです。

人から誤解されやすくなるし
上手く話せないと
話を聞いてもらえなくなってしまう。
だから少しずつ
人との距離をとってしまい
自分の殻に閉じこもることもあります。

そうして大人になった当事者たちにも
まだ、できることがあるかもしれません。
それが
【思いを文字で
   アウトプットすること】です。
*****当事者の方へ*****
まぁ、結論から言えば
いつものどおりのことで、
基本の”メモ”から始まります。

ただ、違っている点は
【段階を踏んで発展させていく】
ということです。

その順番は
1.片っ端から書き出す
2.分類する
3.整理する
4.組み合わせる
5.文章にする
という感じです。

最初は、最後までできないものです。
途中で考えが止まってしまったり
分からなくなってしまうのも普通で
それを何度も
【くり返すことが大切】なのです。
誰かに手伝ってもらうのもアリですよ。

それを継続すると
少しずつ書けるようになる、これは、
【昭和以前に
   教育を受けた人なら
         普通のことで】
今は何かと便利な時代ですが
その分
【必要なスキルが身につかなかった】
典型ではないかと私は思うのです。

上記の進め方というのは
”手紙を書きあげる”もので
日記でもなくポエムでもなく
【相手あっての文章を書くことは】
【自分の思いを誰かに伝える】という
スキルを身につけることと同じです。

この続きはまた、次回で書きますね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害

2020年10月13日

クライエント中心療法が通用しない

前回、短期記憶・作業記憶・
ワーキングメモリについて書きました。
今回もその続きを書きたいと思います。

さて、
発達障害の傾向を持つ人たちの中には
短期記憶の弱い人がいて、
その時間が5分どころではなくて
(当初、私はそう思っていました)
15〜30秒くらいだということが分かりました。

だから、程度が重くなればなるほど
【今、会話していることを忘れる】
ということが発生しやすいわけで
会話がかみ合わなくなる理由の
一つに挙げられるものになります。

それから、
クライエント中心療法については
覚えていますか?
簡単に言うと
相手の話を聞いて、
気持ちに寄り添う姿勢を持ち
話し手は、自分で話しながら
色んな気付きを得て心の回復を目指す
カウンセリングの技法の一つです。
これが、カウンセリングを行う上での
基本形式になります。

ここから、
発達障害当事者のカウンセリングについて
考えてみてください。
もし、クライエント中心療法だけを用いた
カウンセリングを行った場合
どんなことが考えられるでしょうか?

*****実際の臨床場面*****
クライエントが
自分の話していることを
どんどん忘れてしまうのだとしたら
カウンセリング終了後には
気分はスッキリしたけれど
【思い出すことができないから】
自分の中での
気付きを得にくいと思われます。

自分の気持ちを表現しづらいので
「どんな気持ちですか?」などと
カウンセラーに問われても
大半が”分かりません”になります。

「もし〜だったら?」と聞かれても
【想像力が弱いので】やはり
大半が”分かりません”になります。
もしくは「いい」「いやだ」の
二言程度でとどまってしまい、
それ以上のことを
【自らの力で考えることができません】

もっと大変なのは
【記憶が書き変わってしまうこと】です。
ぼんやりと記憶が残っているものを
自分の都合よく書き換えてしまうのです。

以上のことから、タイトルのとおり
発達障害傾向の人で
短期記憶(ワーキングメモリ)の弱い人には
クライエント中心療法が通用しない、と
考えられます。
*****当事者の方へ*****
実際の臨床場面では、
確かに忘れっぽいことはあるようですが
【人に話すことが習慣化されることで】
色々と覚えておけることも増えるようです。
(グレーな人たちの事例では)

特に、
【自ら変わりたいと
    本気で思った人たちは】
カウンセリングやトレーニングを
”興味の対象とし”
覚えておけることが増えていきます。
中には、次回のセッションまでに
自分で何か取り組んでみて
フィードバックできるように
準備する人たちもいます。

ここで必須となるアイテムは
やはり「ノート」です。
自分の伝えたいことや疑問など、
また、セッションで得た情報などを
常に書き込む習慣をつけます。
それによって、
【思い出したいときにノートを見る】
というクセを付けるのが良いと思います。

最後にまとめますと、
興味があったとしても短期記憶が弱いなら
覚えておける時間も量も少なくなりますから
必ずメモを用意して相談しましょう。

それから、
発達障害の特性について
相談しようと考えられているなら
【相談する相手の
    得意分野にも気をつけて】
相談の依頼をしてくださいね。
posted by 心療カウンセラー長谷 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害